ドラゴンボールDAIMA
第6話 イナヅマ
11月18日(月)放送分
話題のマンガの魅力を担当編集が語る「マンガ質問状」。今回は、古舘春一さんのバレーボールマンガ「ハイキュー!!」です。「週刊少年ジャンプ」(集英社)編集部の本田佑行さんに作品の魅力を聞きました。
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−−この作品の魅力は?
「ハイキュー!!」の魅力は何と言っても、ボールをつながなければいけない、一人では絶対に勝てない「バレーボール」という題材だからこそ描ける、仲間とのドラマだと思います。
ふとしたきっかけでバレーボールに魅せられた少年、日向翔陽。部員のいない逆風にも負けず、やっとの思いで出場した中学最初で最後の公式戦で、日向のチームは「コート上の王様」と異名を取る天才プレーヤー、影山飛雄に惨敗してしまいます。影山にリベンジを誓い、烏野高校排球部の門をたたいた日向ですが、何とその前に現れたのはくしくも同じ高校に進学していた影山。互いに反目しあっていたライバルがチームメートとして出会うところから、物語は始まります。
性格も置かれてきた環境も正反対の日向と影山。当初はぶつかり合うものの、少しずつ“チームメート”として互いを認め合っていく二人。そんな日向と影山を中心にして、さまざまな思いを抱えた選手たちが一つのチームの下に集っていきます。
青春のドキドキやワクワクはもちろんのこと、ヒリヒリやジリジリ、ザワザワやイライラからも逃げない、真摯(しんし)で愚直で超直球な青春ドラマが展開される「ハイキュー!!」。今の時代だからこそたくさんの方に読んでほしい、「週刊少年ジャンプ」が自信を持ってお送りする熱血王道スポーツマンガです。
−−作品が生まれたきっかけは?
もともと、前作「詭弁学派、四ッ谷先輩の怪談。」を執筆する以前から、古舘先生はバレーボールを題材にした作品を描きたいという希望を持っていらっしゃいました。というより、マンガ家を目指した当初から、愛着あるバレーボールを作品にするのが先生の一つの目標だったとうかがっています。むしろ、最初は私(担当)が止めていた部分がありました。先生にとって大切な題材だからこそ、経験も実力も、万全の状態で臨むべきだと考えていたからです。
ですので、「四ッ谷先輩。」を描き切った時、お互いに考えるべきは自然に「バレーマンガを描くべきか否か」の一点でした。そこで、試しに一度やってみようと取り掛かったのが、「ジャンプNEXT!2011WINTER」に掲載された読み切り版「ハイキュー!!」です。このネームを読ませていただいた時の手応えは今でも忘れられません。「今こそ、作家・古舘春一の真価を読者にぶつける時だ」と感じ、古舘先生渾身(こんしん)のバレーマンガ「ハイキュー!!」が動き始めたわけです。その後、約1年にも及ぶ、長い長い推敲(すいこう)作業をへて、「週刊少年ジャンプ」2012年12号より、連載がスタートしました。
−−編集者として作品を担当して、今だから笑えるけれど当時は大変だった……、もしくはクスッとしたナイショのエピソードを教えてください。
何回も推敲を繰り返した連載版「ハイキュー!!」ですが、最も時間がかかったのはとにかく1話目でした。先生の中で「何をすればいいか悩む」ではなく「やりたいことが多すぎて何から手をつけていいか悩む」という状態で、読者の方に見せたいものを順番に並べていくだけでも一苦労。うれしい悲鳴と言えばそれまでですが、今思えば先生も担当も共に「ハイキュー!!」に意気込みすぎて、アップアップになってしまっているような感じでした。
そうして完成した最初の1話目は、日向と影山が出会い、入部を懸けて同じ新入部員と戦い、日向と影山が力を合わせる……と、もう作品を読んでいらっしゃる方ならお分かりかもしれませんが、連載の7話目までの内容が1話に詰まった、とんでもない密度連載の7話目までの内容が1話に詰まった、とんでもない密度の1話目でした。今から考えれば、何ともったいない!と我ながら笑ってしまいます。その後、これだけ内容が面白くて、盛りだくさんなものなのだから、1エピソードずつじっくり、一番良い状態を目指していこう、ということで1話、また1話と整理していき、結果的に現在の形になりました。
−−今後の展開は?
現在、連載では全国大会を目指して、インターハイ(IH)予選を戦っている最中です。3回戦では作中屈指の人気キャラ、県内ナンバーワンセッター・及川徹率いる青葉城西と激突、熱戦を繰り広げています。実際の試合と同様、最後の1点まではどちらが勝つのかまったく分かりませんので、先の展開は作り手である私たち自身も楽しみにしています。ただ、高校バレーボールの頂点と言えば、やっぱり春高バレー。今年の春高もインターハイ(IH)、国体、春高の3冠を成し遂げた愛知の星城高校が話題になりましたが、作中でもぜひ、烏野高校にはIHはもちろん春高も戦い抜いて、栄光のオレンジコートまでたどり着いてほしいですね。
−−読者へ一言お願いします。
「ハイキュー!!」は応援してくださる読者の皆様、全国で読者の方に届けてくださる書店員の皆様、もちろん、こうして作品を取り上げてくださる方々など、本当に多くの方のお力で少しずつ育てていただいている作品だと感じています。本当にありがとうございます。感謝の気持ちはこれからの作品でお返ししたいと思っております。また、未読の方々も、これを機にぜひ手に取っていただければと思います。まだ5巻ですので一気読みしやすいですし、公式ホームページ「ハイキュー!!.com」では5話目までを一気に試し読みできます。よろしければ気軽にご覧ください。これからもますます盛り上がる「ハイキュー!!」をお届けしますので、どうぞご期待ください!
集英社 第3編集部少年ジャンプ 本田佑行
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2024年11月22日 02:00時点
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