大友克洋:「スチームボーイ」以来の長編アニメ製作の可能性も 「僕も期待しています」

映画「SHORT PEACE」の製作発表会に登場した大友克洋監督
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映画「SHORT PEACE」の製作発表会に登場した大友克洋監督

 「AKIRA」などで知られる大友克洋監督ら日本のトップクリエーターが集結したアニメーション映画「SHORT PEACE」(7月20日公開)の製作発表会が22日、東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催中の「東京国際アニメフェア2013」(同実行委主催)で行われ、大友監督らが出席した。オムニバス形式の同作で、若手クリエーターらとともにショートストーリー「火要鎮」を手がけた大友監督は、04年公開の「スチームボーイ」以来となる長編アニメ製作の可能性を聞かれると、「一応企画は出してるんですが、震災以降アニメーションに関する資金集めが厳しい。それが回復しつつあるので、企画が動き出すんじゃないかと僕も期待しています」と明かした。

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 「SHORT PEACE」は、大友監督や「FREEDOM」の森田修平さん、「鉄コン筋クリート」の安藤裕章さん、「機動戦士ガンダム」シリーズのメカニックデザイナーとして知られるカトキハジメさんらが参加した日本をテーマにしたオムニバス形式の作品。大友監督の「火要鎮(ひのようじん)」、森田監督の「九十九(つくも)」、安藤監督の「GAMBO」、カトキ監督の「武器よさらば」の4本から構成されており、オープニングアニメーションは、「アニマトリックス」などのビジュアルクリエーター・森本晃司さんが担当。立体造形作家の岸啓介さん、「新世紀エヴァンゲリオン」シリーズの貞本義行さん、「スマグラー お前の未来を運べ」などの石井克人監督、「AKIRA」「老人Z」などの田中達之さんといったクリエーターも参加している。

 大友監督の「火要鎮」は、江戸の大火を舞台に、町火消しとして生きる松吉と商家の娘・お若の悲恋を描く大スペクタクル作品で、すでに文化庁メディア芸術祭のアニメーション部門で大賞を受賞している。「九十九」はモノノケの怪異を和風のテーストでユーモラスに描く作品。「GAMBO」は、戦国時代末期の東北の山中を舞台に巨大な白い熊と鬼との激闘を重量感たっぷりに描写しており、「武器よさらば」は大友監督の短編マンガを初監督のカトキさんが映像化し、戦車型無人兵器と強化装甲服で武装した部隊との激戦を圧巻のディテールとスピード感で描くアクション作品だ。

 大友監督は「僕らが動き始めたのは1年か2年くらい前。やっとすべての作品がそろってお見せできるようになった」と語り、「いろんな思いを持った若い作家たちが日本について思っていることを、SFだったり時代劇だったり、新しい形で僕らが出せる、本当に素晴らしい機会をいただいた。みんな本当に一生懸命作りましたので、ぜひみなさんに見てほしいと思います」とアピールしていた。(毎日新聞デジタル)

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