GDCアワード:ゲームのアカデミー賞は「風ノ旅ビト」 日本勢は5年連続無冠

(c)Sony Computer Entertainment America LLC.Developed by thatgamecompany.
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 世界のゲーム関係者の投票で選出され、“ゲームのアカデミー賞”といわれる「ゲーム・デベロッパーズ・チョイス・アワード(GDCアワード)」の授賞式が米サンフランシスコで27日(現地時間)開催され、PS3用ソフト「風ノ旅ビト」(ソニー・コンピュータエンタテインメント、SCE)が大賞(ゲーム・オブ・ザ・イヤー)を含む史上初の6冠に輝いた。開発スタジオは米ザットゲームカンパニー。一方で日本企業の開発したゲームは、5年連続の無冠に終わった。

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 GDCアワードは世界最大のゲーム開発者会議「ゲーム・ディベロッパーズ・カンファレンス」で発表される賞。「風ノ旅ビト」は、「ワンダと巨像」(PS2、SCE)が達成した5冠の記録を塗り替えた。

 「風ノ旅ビト」は、砂の世界を舞台に、外套(がいとう)をまとった「旅ビト」を操作して進むゲームで、ダウンロード専用ソフト。日本最大のゲーム開発者会議CEDECの賞「CEDECアワード」でビジュアルアート部門を受賞するなど、日本でも評価されている。

 日本企業の開発したゲームでは、「極限脱出ADV 善人シボウデス」(3DS、スパイク・チュンソフト)がストーリー部門、「GRAVITY DAZE(グラビティデイズ)」(PSVita、SCE)と「新・光神話 パルテナの鏡」(3DS、任天堂)が携帯ゲーム機部門にノミネートされたが、受賞には至らなかった。

 GDCアワードは、ゲームの世界的な広がりから海外のゲーム開発者の尊敬を集めたタイトルが受賞する傾向にあり、過去にも07年に配信ゲームの「ポータル」(PC、Mac、Xbox360、バルブ・ソフトウェア)が大賞を受賞した。また、世界で1000万本近くを売り上げたとされる「マインクラフト」をはじめ、インディゲームと呼ばれる独立系・小資本のゲーム会社が制作する配信タイトルが注目されている。このほか、1961年に世界初のテレビゲームとされる「スペース・ウォー」を制作したスティーブ・ラッセルさんがパイオニア賞に輝いた。(小野憲史/毎日新聞デジタル)

 ◇受賞者は以下の通り(人名の敬称略)

ゲーム・オブ・ザ・イヤー「風ノ旅ビト」▽オーディエンス部門「ディスオナード」▽イノベーション部門「風ノ旅ビト」▽デビュースタジオ部門「SUBSET GAMES」(FTL:FASTER THAN LIGHT)▽オーディオ部門「風ノ旅ビト」▽携帯ゲーム機部門「THE ROOM」▽ゲームデザイン部門「風ノ旅ビト」▽ベストテクノロジー部門「FAR CRY3」▽ビジュアルアーツ部門「風ノ旅ビト」▽ストーリー部門「THE WALKING DEAD」▽ダウンロード部門「風ノ旅ビト」▽パイオニア賞 スティーブ・ラッセル▽アンバサダー賞 クリス・メリッシノス▽生涯功労賞 グレッグ ゼスチュク、レイ・ムジカ

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