クレヨンしんちゃん:劇場版にコロッケ&川越シェフが出演 「しんちゃんは僕とそっくり」

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 ものまねタレントのコロッケさんとシェフの川越達也さんがゲスト声優を務める劇場版「映画クレヨンしんちゃん バカうまっ!B級グルメサバイバル!!」が、20日に全国で公開される。国民的人気アニメ「クレヨンしんちゃん」への声の出演を「本当にうれしい」と語る2人に、公開に先がけて、「クレヨンしんちゃん」への思い入れやアフレコの舞台裏、劇場版の見どころを聞いた。(毎日新聞デジタル)

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 同作は「クレヨンしんちゃん」の劇場版21作目。日本のB級グルメを守る“伝説のソース”を運ぶ任務が、主人公・野原しんのすけとその仲間たち「カスカベ防衛隊」に任される。実は伝説のソースはA級グルメの魔の手からB級グルメを守る唯一のソースだった。しんのすけたちカスカベ防衛隊は、庶民のささやかな幸せを守るために奮闘する……というストーリー。コロッケさんはB級グルメを守る“下町コロッケどん”役、川越さんは本人役の“川越シェフ”として出演する。

 −−起用された感想は?

 コロッケさん: 「クレヨンしんちゃん」に出られるっていうのは正直、本当にうれしかったですね。周りもすごくうらやましがっていましたし。(自身の)子供も、もう大きいんですが、「えっ?」ってびっくりしてました。普段は、僕がやらせていただく仕事にはさほど驚かないんですが、今回は反応が大きかったですね。

 川越さん 僕も親戚の子供から早速、連絡が来ました。それだけ期待度も高いんだなって。アニメの声優出演は料理業界でもめずらしいことだと思いますし、うれしいですね。全国の料理人を代表して、恥ずかしくないお仕事をしたいなと思いました。

 −−「クレヨンしんちゃん」の魅力はどこにあると思いますか?

 コロッケさん:心地よいふざけ方。僕も小さいときからずっとふざけている人間なので、しんちゃんと共通しているところがたくさんあるんですけど(笑い)。ご本人の前でものまねをやったり、「それをやったら怒られるでしょ」ってことをやってきているわけですよね。で、怒られるとシュンとして。その後、ものの1分もしないうちに違うことやり始めるとか(笑い)。すごい似ているところがあるので、僕はしんちゃんには親近感を持ってますね。

 川越さん:しんちゃんのキャラクターがね、クセがあるんだけど最終的にはみんなに愛されるっていうところが魅力だと思うんですよ。僕も、料理や店作りをしていく上で、やっぱり特徴があって、もしかしたらクセがあるかもしれないけど、「すごくおいしいよね」「いい店だよね」って思ってもらいたいところがあるので、しんちゃんのようなキャラクターの料理や店を作るのが目標です。

 −−意外にもコロッケさんはアニメ声優初挑戦とか。アフレコの感想は?

 コロッケさん:ものまね以外で声の出演はプレッシャーでしたね。美川(憲一)さんや志村(けん)さんでいいっていわれたら、全然楽なんですけど、誰のものまねでもない声を出すのは新鮮でしたし、大変でした。自分の声の種類は100種類以上あるんですが、その中から聴いたことのない新しい声で今回やらせていただいたんですが、緊張しつつもアフレコは楽しみながらできました。

 −−具体的には、どのようにキャラクターの声を作っていったんですか?           

 コロッケさん:まずは、コロッケどんの顔を見ながら年齢をイメージして、あとはコロッケ作りに長年、命をかけているところだったり、B級グルメを守る仲間内でのマスコット的な部分だったりとか。僕の中では“ちょっと甘えんぼうなおっさん”をイメージしましたね。それから、周りのキャラクターの声と違いすぎても浮いてしまうので、他の声優のみなさんの声を聴いて、そこにはない声でありながら、違和感のない声を目指しました。

 −−コロッケどん以外に“鳥つくねの三郎”“おでんの伝助”“草だんごのヤス”も演じているんですよね。

 コロッケさん:現場で「他のキャラクターもできませんか」といわれまして。前もってじゃなかったので、慌てましたね(苦笑)。愛される声でありながら、膜がかかったような声、ハスキーボイス、低音……と大まかに声を分けて、こちらもいろいろ考えながら他のキャラクターにはない声を出しました。

 −−一方、川越さんは本人役での出演。アニメになった自分が「クレヨンしんちゃん」に登場した感想は?

 川越さん:イラストはずいぶんシュッと書いていただけたなって。表情なんかも柔らかく描いていただいてたんで、すごくうれしかったですし、そう描いていただいた以上、お子さんたちが見てくださったときにイメージが壊れないような表現をしなくちゃなって思いましたね(笑い)。

 −−アフレコはいかがでした?

 川越さん:僕は本人役なので、特に声を変える必要がなかったんですが、声のボリュームやトーンを上げて元気よく話すようにオーダーがありました。それから、せりふではなく、食べるシーンや人に押されるシーンの声での演技は難しかったですね。「あむっ」「モグモグ」とか普段は言わないですし、押されて「ウッ」とかもね。あとはアニメの動きにタイミングを合わせるのも大変でした。でも、楽しかったです。一流の人たちが集まった映画作りの現場に参加させていただいて、すごく刺激になりました。もっともっと、普段の自分の仕事を頑張ろうって思わされましたから。

 −−お二人は今回が初顔合わせですが、互いの印象やアフレコを聞いた感想は?

 川越さん:僕はもうそれこそテレビでずっとものまねを拝見させていただいていた側なので、不思議ですよね。なので、間近で触れさせていただけたのはすごくありがたかったです。それから同じ九州出身で、勝手に親戚のような感覚を持たせていただいていたので、こうやってお仕事をご一緒できてうれしかったです。

 コロッケさん:川越シェフはもともと優しい印象だったんですけど、実際にお会いしたらテレビの印象のままで。それで、今回の作品にも選ばれたのかなって思いましたね。「クレヨンしんちゃん」の現場には素の状態と一緒の人が多い。だから、会ったばっかりなのに安心できるというか、あまり違和感がないっていうんですかね。アフレコについては、僕も含めてうまくやらせていただけたんじゃないかなと思います(笑い)。慣れない現場で戸惑いながらも、お互いにいい空気が出てるんじゃないかなと。

 −−今作の見どころを教えてください。

 コロッケさん:今回は“B級グルメ”がテーマなので、みなさんにとって身近な話題だと思うんですよね。そこに人間模様も温かく描かれてるんで、見応えは十分すぎるぐらい。笑って感動してホロリときて……。それから今回の作品を見て、料理を作る人がいい人だったら、その料理はおいしいんだろなって思いましたね。映画に出てくる“A級グルメ”派の嫌な人たちの料理は一瞬おいしいって思うかもしれないけれど、身にならないんじゃないかなって。

 川越さん:ああ、そうかもしれない。料理って結局、自己中心的だといい料理が作れないでしょうし、誰かのためにという愛がないと。その思いが料理をおいしくさせると思いますね。

 コロッケさん:シェフっていってもいろいろあると思うんですが、家だったらお母さんだったり、お父さんだったり。そういうところで、みなさんが見て、「あ、これ気をつけなきゃね」って気付かされるような場面もあると思うので、すごくいろいろな要素が入った映画ですよ。

 川越さん:コロッケさんがおっしゃるように、料理でいうならまさに大盛りな映画だと思います。てんこ盛り。いろんなものがミックスして、心温まるアニメになっていると思うんですけど、とにかくおいしいものがたくさん集まって一皿に盛り合わせされているような印象。それから、日本人が昔から持っている感性も描かれているので、現代のみなさんに見てもらって再認識していただけたらと思いますね。

 <コロッケさんのプロフィル>

 1960年3月13日生まれ、熊本県出身。80年に「お笑いスター誕生」(日本テレビ)でデビュー。ものまねタレントとして全国でコンサートを行うかたわら、テレビやラジオなどで活躍。現在のものまねレパートリーは300種以上で、ロボットバージョンやヒップホップダンスとの融合などエンターテイナーとして常に新境地を開拓している。5月17日から、人情芝居とものまねステージの2部構成からなる座長公演「コロッケ特別公演」が大阪新歌舞伎座で開催される。

 <川越達也さんのプロフィル>

 宮崎県出身。大阪あべの辻調理師専門学校卒業。大阪・東京のフレンチ、イタリアン、日本料理店で修業し、00年に「ティアラ・K・リストランテ」をオープン。06年、店名を「タツヤ・カワゴエ」とし、東京・代官山に移転。店舗で働くかたわら、テレビや雑誌などメディアにも多数登場し、「川越シェフ」の愛称で親しまれている。

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