話題のアニメの魅力をクリエーターに聞く「アニメ質問状」。今回は「RDG レッドデータガール」です。P.A.WORKSの堀川憲司プロデューサーに作品の魅力を語ってもらいました。(毎日新聞デジタル)
ウナギノボリ
解説:新たな“最高峰”を目指したガンプラ 45周年のこだわりとは
−−作品の概要と魅力は?
誰が見てもパッとしなかった少女が人類の運命の鍵を握るキーパーソンに祭り上げられる。おまけに彼女を取り巻く異能者たちはイケメンぞろい。そんな少女マンガ的展開を軸にしながら、其処彼処(そこかしこ)に潜んでいる一片の情報に興味を持ってみると、物語の背景にある歴史的世界観が広がっています。原作者の荻原規子さんの作品群に通底する運命に肯定的でタフな人物像と思春期の少女の成長譚が、学園ファンタジーを舞台に出会った作品ですね。
−−アニメにするときに心がけたことは?
原作で印象的なのは、「変わりたい」と思う泉水子(いずみこ)が、特殊な環境で同世代の人々と関わり始めたことで、自分を確立するために少しずつ変化するさまを丁寧に丁寧に描いているところです。原作の事件軸に沿ってシリーズ構成を組み立てると、とても収まりそうにはなかったので、イベント中心の皮相的な作品に陥らないようにしつつ、原作の魅力を保てるように、削る部分を慎重に選択しながら何度も改定稿を重ねる必要がありました。
−−作品を作る上でうれしかったこと、逆に大変だったことは?
物語の舞台が広範囲にわたっているので、ロケハンは楽しかったですね。熊野、戸隠、高尾山、八王子城跡と、山好きでカメラ好きの篠原(俊哉)監督は大満足だったようですが、運動不足のスタッフは監督の健脚についていけなかったと聞いています。それと、学園祭のポスターデザインは、制作陣が締め切りに追われながら描きました(笑い)。スタッフが投票する学園祭ポスター総選挙では「壱栄屋のカステラ」が当選し、篠原監督からご褒美がもらえたようです。
−−今後の見どころを教えてください。
世界遺産候補を巡る争いは鳳城学園の戦国学園祭でクライマックスを迎えます。泉水子も深行(みゆき)も、宗田きょうだいも高柳も、みんな自分たちの未来を切り開くために、まっすぐ突き進むんですね。そこに人との強いつながりが生まれる。成長する泉水子の偉大な母性と楽観的な強さに癒やされます。対立する勢力も試練もマルッと受け止め、忍耐強く希望を生み出す……。でも、やっぱり泉水子と深行の関係には最終話のラストシーンまでヤキモキさせられますね(笑い)。
P.A.WORKS代表取締役 堀川憲司
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