フランスで開催中の「第66回カンヌ国際映画祭」で19日(現地時間18日)、コンペティション部門に出品されている映画「そして父になる」(是枝裕和監督)が公式上映された。上映が終わると会場からは盛大な拍手が上がり、約10分のスタンディングオベーションが続いたことから、主演の福山雅治さんらキャストは涙を浮かべながら観客の声援に応えた。上映後に取材に応じた福山さんは、「大変感動し、泣いてしまいました。自分というよりは『是枝さんおめでとう!』という気持ちがこみあげてきてしまい、男泣きでした!」と振り返り、「普段は芝居以外であまり泣かないけれど、今回は監督に降り注ぐあのスタンディングオベーションにうれしくて泣いてしまった」と喜びを爆発させた。
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レッドカーペットには、福山さん、是枝監督のほか、尾野真千子さん、真木よう子さん、リリー・フランキーさんらが登場。淡いピンクのシフォンロングドレスで登場した尾野真千子さんは、「こんな感動は初めて。すごいスタンディングオベーションを見て、日本の文化や気持ちなどが海外の方にも伝わるんだと知ってさらに感動しました」としみじみ。光沢のある紫色のドレスで登場した真木よう子さんも、「じわじわと感動を実感。改めてみんなでひとつの作品を作れたことをうれしく思う」と笑顔を見せた。
リリーさんは、「監督の涙を見てしまい、号泣しそうになってしまった」と告白し、「この話は福山くんと飲むと一生することになると思う。嫌なことがあったら、この日の映像とかを見ながら、あのときは良かった、輝いていたねって」と喜びを表現した。「誰も知らない」(04年)以来、9年ぶり3回目となるコンペティション部門への出品となった是枝監督は、「こんなに温かい拍手でつつまれて本当にうれしかった」と喜びをかみしめ、「つらいことがあったときは、ぜひリリーさんと福山さんが『あのときは良かった』と語り合う場に僕も参加させて」とユーモアたっぷりに話していた。
「そして父になる」は、小学校受験を控えた6歳の息子が、実は出生時に病院で取り違えられていた他人の子供だったことを知らされた父親の葛藤や苦悩を描いた作品。福山さんは初の父親役に挑戦し、真木よう子さんや尾野真千子さん、リリー・フランキーさんらが出演する。10月5日に公開。(毎日新聞デジタル)
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