俳優の佐藤健さんと女優の綾瀬はるかさんがダブル主演を務めた映画「リアル~完全なる首長竜の日~」(黒沢清監督)が、スイスのロカルノ映画祭の国際コンペティション部門に出品することが決まり28日、日本外国特派員協会(東京都千代田区)で行われた特別試写会後、佐藤さんと黒沢監督が記者会見を行った。佐藤さんは「(事務所の先輩の)福山(雅治)さんの主演映画が、カンヌで賞を取った。ぜひ『リアル』も後に続け、と。関わったみんなのためにも、何か結果を残せたらすごくうれしいなと思います」と意気込みを語った。
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ロカルノ映画祭は、カンヌ、ベルリン、ベネチアと並ぶ映画祭で、スイス南部のティチーノ州ロカルノで、1946年から毎年8月に開催。第66回を迎える今年は8月7~17日に開催となる。同映画が出品される「Concorso internationaziole部門」は、世界各国からジャンルを問わず約20の作品が集められる国際コンペティション部門で、日本映画ではこれまでに市川準監督の「トニー滝谷」(04年)、諏訪敦彦監督の「不完全なふたり」(05年)、青山真治監督の「東京公園」(11年)などが出品されており、小林政弘監督の「愛の予感」(07年)は、グランプリである金豹賞を受賞している。
この日は、日本に駐在する外国人特派員やジャーナリスト約100人向けの試写会も行われ、黒沢監督は「本当に、海外の方が僕の映画を見たらどう思うのかといつも興味があった」と出品決定を喜び、「今日も、見ていただいた外国の方々に質問していただいて、とても参考になりました。今日の取材をいい材料にして、ロカルノに臨みたい」と語った。
映画は乾緑郎さんの小説「完全なる首長竜の日」が原作。自殺未遂で昏睡(こんすい)状態となった淳美(綾瀬さん)を目覚めさせるため、幼なじみで恋人の浩市(佐藤さん)がセンシングという特殊な医療技術を使って淳美の頭の中に入っていく……というストーリー。中谷美紀さんやオダギリジョーさん、染谷将太さん、小泉今日子さんら豪華キャストが脇を固める。6月1日公開。海外での上映も決定し、台湾で8月下旬、香港で9~10月、フランスで夏以降に公開予定。(毎日新聞デジタル)
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