来月公開のスタジオジブリ最新作「風立ちぬ」(宮崎駿監督)で主人公の声優を務めた「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」シリーズ総監督の庵野秀明さんが24日、東京都小金井市の同社で行われた完成報告会見に登場。自身の演技について「役者じゃないので役を作るのは無理なんですよ。いろいろ経験していてよかった。芝居をやったら宮さんは嫌がる。自分がこんな目にあったときにこうだったと思い出してやった」と語り、次回作について聞かれると「断ります。自分の声を聞くのは嫌いなんです」ときっぱり。
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トークショー形式で行われた会見は、タレントの中山秀征さんが司会を務め、宮崎監督、庵野さんのほか、鈴木敏夫プロデューサーや主題歌を歌った松任谷由実さんも登場した。主役の声優を庵野さんにオファーしたことについて宮崎監督は、プロの声でしっくり来なくて「素人だったらいいのか」という考えから、ふと鈴木プロデューサーから庵野さんの名前が挙がったといい、「全然迷わなかったですね。庵野に声をやってもらってよかった。演じたんじゃなくて、(主人公)そのものになってくれたと思います」と大絶賛した。
一方、鈴木プロデューサーは、宮崎監督とキャスティングの話をした前夜に偶然、庵野さんに会っていたといい、「ふっと、声だけ思い出して名前を挙げた」と裏話を披露した。庵野さんは「(鈴木さんに)会わなきゃよかった」と苦笑した。
完成した映画の感想を聞かれ、庵野さんは「感動しました。72を過ぎてようやく二十歳過ぎの映画ができた」といい、「宮さんは子供でもないですが、基本的には大人じゃない。今まではちょっと足が宙に浮いていた。この映画もところどころ浮いているが、基本足がついて、少し大人に近づいた」と評価した。
宮崎監督は「ありがとうございます」と庵野さんに頭を下げてみせ、「こういう作品を作って、何が届けられるんだろう。『力を尽くして生きろ、持ち時間は10年だ』。それぞれ感覚は違うだろうけれど、みんなたぶんそういう10年を持っていると思う」と作品への思いを語っていた。最新作「風立ちぬ」は、7月20日に全国で公開予定。(毎日新聞デジタル)
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