やなせたかしさん原作の人気アニメ「それいけ!アンパンマン」の劇場版アニメ第25作「それいけ!アンパンマン とばせ!希望のハンカチ」(矢野博之監督)が6日に公開された。今作では「希望」をテーマに“空をきれいにできるハンカチ”を鼻から出そうと毎日練習しているが、うまくならない小さな象の男の子・パオが、困難にもあきらめず立ち向かうアンパンマンたちを目の当たりにして、希望を捨てずに前に進むことを決意する姿が描かれる。
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女優の本仮屋ユイカさんとお笑いコンビ「サンドウィッチマン」の富澤たけしさんと伊達みきおさんがゲスト声優として参加。劇場版アニメの声優に挑戦するのは初めてという本仮屋さんがパオを務め、富澤さんはパオの師匠のような存在のザジズゼゾウ(ザジおじさん)、伊達さんがばいきんまんにより発明された最新メカ・スゴイゾウ(ヨゴスゾウ)を担当している。同作とともに、子供たちが手拍子やリズムに合わせて踊るなどして一緒に楽しめる参加型作品「みんなで てあそび アンパンマンといたずらオバケ」を同時上映。
「それいけ!アンパンマン とばせ!希望のハンカチ」は、雲の上にすむ小さな象の男の子パオは、鼻から大きなハンカチを出し空の掃除をするザジおじさんのように自分もハンカチを出そうと練習をするが、うまくできない。ほかに自分にできることはないかと、アンパンマンワールドにやってきたパオだったが、パン作りも牛乳配達も“きらきら希望サーカス”での芸も全て失敗ばかり。パオは自信と希望をなくし心を閉ざしてしまう。そんな中、ばいきんまん(声・中尾隆聖さん)はきらきら希望サーカスに対抗して“ばいきんサーカス”を開催するが、最新メカ“スゴイゾウ”が“ヨゴスゾウ”に変身して街中を汚し回る。アンパンマン(声・戸田恵子さん)の顔も、新しい顔を焼くアンパンマン号も汚され絶体絶命の大ピンチに。パオは何もできない自分にくじけそうになるも、アンパンマンのあきらめない姿から希望を胸に前へ進むことを決意。アンパンマンとパオは街を救うことができるか……という展開。
テレビアニメ放送開始から25年という人気を誇る長寿アニメだけあり、安定感は満点だ。魅力的な新キャラクターのパオだけでなく、ばいきんまんやジャムおじさんなどおなじみの面々も登場して物語を盛り上げる。上手にハンカチを出せないパオだが、アンパンマンに出会ったことで心が折れずに頑張ることを知って成長していく姿は、何かとあきらめがちな大人の心にもしみ入るものがある。また、汚れを吸い込まずにハンカチを出してキレイにしていく、つまり“みんなで拭く”という演出には思わず感心させられる。希望あふれるストーリーと、大切なメッセージが込められた今作を見れば、子供はもちろん、大人もきっとパワーがもらえるはずだ。6日から新宿武蔵野館(東京都新宿区)ほか全国で公開。(遠藤政樹/毎日新聞デジタル)
<プロフィル>
えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もOKと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。
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