今年4月に亡くなった俳優の三國連太郎さんのお別れの会が19日、東京・六本木のホテル「グランドハイアット東京」で行われ、西田敏行さんや山田洋次監督ら関係者800人が参列した。喪主を務めた息子で俳優の佐藤浩市さんは報道陣の取材に応じ、「ひどい父親だった。それは変わらないけど、僕が今現在ここに立って、自分がやりたい芝居をやらせてもらえるのは、彼がいたからこそ。彼から受け取ったものは、父親として受け取ったものより数倍濃厚なものだったんでしょう。それを、継承というのは嫌だけど、自分の中で持っていきたい」と胸の内を明かした。
あなたにオススメ
「豊臣兄弟!」では池松壮亮が! 大河ドラマ“秀吉俳優”史を振り返る
お別れの会は、三國さんの代表作の一つである「飢餓海峡」にちなみ、佐藤さんの発案で「三國連太郎 海峡を渡る日~お別れの会~」と題して行われ、祭壇は同作をモチーフに、合計5000本の花で海(荒波)を表現。中央にはスクリーンを設置。2000年に静岡・沼津の魚市場で撮影されたという遺影が映し出され、献花の際には三國さんの出演映画の映像が音楽とともに流された。
佐藤さんは「役者らしい送り方はできたんじゃないかな。こういうふうな、けれんみたっぷりの演出を、『しゃらくせえ』と思うのか、ちょっとはにかんで持って行くのか分からないけれど」とほろ苦く笑い、思い出す表情や仕草を聞かれると、「……ないなあ! 今はなしでいいでしょう」とかみしめるように話した。(毎日新聞デジタル)