マンガ家の松本零士さん(75)が3日(現地時間)、イタリアで開催されている「第70回ベネチア国際映画祭」の公式記者会見に出席。同映画祭の会見では先日、スタジオジブリの宮崎駿監督(72)の引退が発表されたばかりだが、特別招待作品として原作を担当した劇場版CGアニメ「キャプテンハーロック」(7日公開)を出品している松本さんは「創作に終わりはない」「若者たちを励ますためにこの仕事を続けています」と現役続行宣言をした。
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会見に松本さんは、同作で声優を務める俳優の三浦春馬さん、荒牧伸志監督とともに登場。「キャプテンハーロックの物語と連携して続いていく物語を描きたいですが、今描いてしまうと、アイツはそろそろお墓に……と思われてしまいそうなので、今はまだ描きたくありません。創作に終わりはありません」と語ったうえ、「人が涙を流すのは恥ではない。あきらめるのが恥である。涙を流しても歯を食いしばって頑張るんだと、若い世代に伝えていきたいです。若者たちを励ますために、日本だけでなく、地球上の全若者に伝えるために、この仕事を続けています」と語った。
イタリアを含め、ヨーロッパ全土で松本さんの人気は高く、フランスではハーロックの名前が「アルバトール」に変わって1978年にテレビ放送されおり、国民的伝説アニメとして認知されている。「アバター」「タイタニック」などで知られるジェームズ・キャメロン監督は同作を鑑賞し、「空前の出来、もはやこれは伝説だ。神話のように想像力にあふれ、壮大なスペクタクルと、今まで見たことのない映像がここにある。『ハーロック』は新しいアイデアの世界に導いてくれる」と絶賛している。
松本さんと三浦さん、荒牧監督は、会見後に行われたレッドカーペットイベントにも登場。三浦さんは「松本先生をはじめ、たくさんのスタッフさんが作ってくださった艦(ふね)で、こうしてレッドカーペットを踏めること、すごくすごく光栄でうれしく思っています。驚きが感動に変わっています」と感激の様子。レッドカーペットでは、海外のファンからキャプテンハーロックの信念“俺は俺の旗の下に自由に生きる”を象徴するアイテム「ドクロの旗」が松本さんに手渡される一幕もあった。
「キャプテンハーロック」は松本さんのマンガが原作。テレビアニメが78年3月~79年2月に放送され、82年には若き日のハーロックを描いた劇場版アニメ「わが青春のアルカディア」が公開された。また、82年10月~83年3月には、その続編のテレビアニメ「わが青春のアルカディア 無限軌道SSX」が放送された。新作劇場版アニメは、政府に反旗を翻して宇宙海賊となったハーロックの活躍を描いている。(毎日新聞デジタル)
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