公開中の映画「風立ちぬ」をもって長編映画の製作からの引退を発表したスタジオジブリの宮崎駿監督が6日、東京都内で行った引退会見で健康不安説を一蹴した。宮崎監督は一時、70キロあった体重を現在63.2キロまで減量したことを明かしたうえ、アニメーターの世界に入った50年前の体重を挙げ「最後は57キロで死ねればいい」と周囲の健康管理でベスト体重に近づいていると胸を張った。
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宮崎監督は5年前に取材したという海外メディアの記者から「かなりやせられたのでは?」と健康状態を心配され、「現在の体重は63.2キロです。アニメーターになった50年前は57キロ。結婚してから増えて一時は70キロを超えた。映画の監督をやるのは体調を整えなければならないので外食をやめ、昼は家内の作ったお弁当、夜はおかずだけ食べていたらこの体重になった。最後は57キロで死ねればいいと思っている」と語った。
また、「健康にはいろいろ問題がありますけれども、心配してくださる人がいて、よってたかっていろいろやらされますのでなんとかなるんじゃないかなと思っています。映画を1本作るとよれよれになる。どんどん歩くとだんだん体調が整ってくるが、この夏は暑くて、上高地に行っても暑かったので、まだ歩き方が足りない。もう少し歩けば元気になると思います」と語った。
宮崎監督は、1941年生まれ。63年にアニメ制作会社の東映動画に入社。いくつかの制作会社を経た後、「ルパン三世 カリオストロの城」(79年)で初めて劇場版アニメの監督を務めた。85年にスタジオジブリを設立。「天空の城ラピュタ」(86年)、「となりのトトロ」(88年)、「もののけ姫」(97年)など数々のヒット作を手がけ、2001年の「千と千尋の神隠し」は、興行収入も国内歴代最高を記録した。
「崖の上のポニョ」(08年)以来5年ぶりの監督作品となった「風立ちぬ」で、宮崎監督は、初めて自分の映画で涙を流したことを告白。鈴木敏夫プロデューサーも同作品を「宮崎監督の遺言」と発言するなど話題を集めていた。1日、スタジオジブリの星野康二社長が「第70回ベネチア国際映画祭」の会見で、宮崎監督の引退を発表した。
会見には同社の鈴木プロデューサー、星野社長も同席した。(毎日新聞デジタル)
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