ポケミス:貴重な初版本1775点を一挙展示

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 シリーズ累計発行1900万部以上を誇る早川書房の海外ミステリー小説の人気シリーズ「ハヤカワ・ミステリ」(ポケミス)が9月に創刊60周年を迎えたことを記念して、展示会「ハヤカワ・ミステリ全点展示会」が26~31日、同社(東京都千代田区)で開催される。25日、開催に先だって内覧会が行われ、レーベル創設第1弾として1953年9月に発売された「大いなる殺人」(ミッキー・スピレイン)など全1775点が公開された。すべて初版本で、中には古書店で数万円で取引されていたこともあったという「古書殺人事件」(マルコ・ペイジ)など貴重なタイトルも展示される。開場時間は午後1~8時(土日は午前10時~午後6時)で、入場無料。

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 ポケミスは、米国のペーパーバックを手本にポケットブックサイズ(高さ18.4センチ、幅10.6センチ)を採用し、スーツやコートのポケットに入ることからポケミスと呼ばれている。アガサ・クリスティーやエラリー・クイーンら本格黄金時代の巨匠の名作、レイモンド・チャンドラーやロス・マクドナルドらが執筆した名作ハードボイルド、近年の北欧ミステリー作品などラインアップは多岐にわたり、ディック・フランシスの「罰金」などアメリカ探偵作家クラブ賞(MWA賞)や英国推理作家協会賞(CWA賞)の受賞作も多く刊行されている。

 展示会では、群馬県にある同社の倉庫で資料用として保管している初版本を刊行順に展示。全1775点が書棚と平台に展示され、創刊当初は具象画が多かったが、やがて抽象画が中心となり、2010年にリニューアルされる……というように勝呂忠さんや水戸部功さんが手がけたブックデザインの変遷をたどることができる。書籍を保護するために一時使用されていた箱も展示。経年劣化によって色が変化しているものもあるが、丁寧に保管されていたこともあり、半世紀以上前の書籍でもきれいな状態で展示されている。

 初版本は手に取ることはできないが、約1000点を閲覧できる立ち読みコーナーも設けられている。売り上げベスト20やもっともページ数が多いタイトル、刊行点数が多い作家ベスト5など歴史を紹介するパネルも展示されている。また、ポケミスの判型と同サイズの「ポケミス手帳」などを販売する。(毎日新聞デジタル)

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