潘ちゃん×潘さん交換日記：超常現象はラッキー＆ハッピー！？　潘恵子

　「HUNTER×HUNTER」のゴン役などで人気上昇中の声優・潘めぐみさんと、「機動戦士ガンダム」のララァ役などの声優としても知られる母親の潘恵子さんが、さまざまな思いや出来事を交換日記形式でつづります。今回は、“潘さん”こと恵子さんが、母娘で同じ役をやることになった映画「キャリー」の思い出や、2人に起きたさまざまな超常現象について語ります。

ウナギノボリ

「光る君へ」より昔！　最も古い時代の大河ドラマは？　1976年「風と雲と虹と」のあらすじ

　1カ月はあっという間に過ぎ、交換日記は、私＝“潘さん”の番がやってきました。「キャリー」のシシー・スペイセスの吹き替えをやってから30年以上！　これも、あっという間に……と言いたいところですが、そうでもなかった！　実にいろいろありました。

　声の仕事を始めて2年くらいたったころ「キャリー」という台本を手渡され翌日リハーサルに向かったことを思い出しました。あ、そうそう。その当時は洋画、特に劇場向けのような長い外画の吹き替えの場合は、今のようにDVDを事前に手渡されて家で見てチェックできる環境になく、一般家庭にやっとビデオデッキが普及しはじめたころだったので、多くが前日、声の出演者が一斉にそろって「リハーサル（映画を見ながらチェック）」して、翌日にスタジオで録音！といった形式でした。短いものは当日リハーサル＆本番が多かったかな。なので、当時「キャリー」をリハーサルの時に初めて見た声優陣数人が、あまりの怖さに「ギャー！！」と叫び声を上げていたっけ。

　あなたが今回のクロエ・モレッツちゃんの吹き替えに決まった時、前作が見たいというので、家で最後だけは私が一緒に見ててあげたのよね、怖いわよ～！と言って。案の定「びっくりしたあ」って。

　ホラー映画は怖いだけでなく、人間の心の奥深い恐怖心やら、憎しみやら、怨念（おんねん）など、今一度考えさせられます。超常現象（サイコキシネス）は常に目に見えないところで起きているのではないかな？

　私は昔から、電気が突然点滅し続けて、次々消えてゆく現象を何度か経験したし、あなたは自分の部屋を離れた途端に、電源がオフになったCDプレーヤーが突然、大音響で鳴りだすことも、数回はあったわね。

　でも、私達母娘は変わったことに出合ってるけれど怖くない。そう、我が家の超常現象はラッキー＆ハッピーなことの方が多いから。

　2人で話題にしていた人が突然目の前に現れて座ったり、考えている人から即座に電話がかかってきたり。そして、「会いたい！！」と思っている人にバッタリ出会ったり……、といつも不思議なことが次々起きているのよね。決して怖くない、なんか楽しい……。

　今回のクロエちゃんの「キャリー」では、初代キャリーを吹き替えた私もお母さん役をやらせていただいて……。普通じゃあり得ない！

　実は、その今回の録音スタジオは、36年前に私が初めてマイクの前に立ち、声優としてデビューした「サザエさん」のスタジオでした。当時、ワカメちゃんの声をやっていらした野村道子さんにそのスタジオに連れて行っていただいたことが“不思議”の全ての始まりだったな。

　不思議な巡り合わせ＝我が家の超常現象は、母と娘に「キャリー」の吹き替えをもたらしてくれて、懐かしい思い出をたぐり寄せることができて、そして、我が子の成長ぶりをも実感させてくれました＜（＿　＿）＞。

　それもこれも「HUNTER×HUNTER」との不思議な出合いがきっかけ！　気絶したゴンを背負って駆けて行くキルアのセリフだった「俺たちは必要な時に、必要な人に出会っているんだ！」。

　しかるべき時にしかるべき人に……。そうなのよね、普段の生活に生じる出来事一つ一つや、出会う人、一人一人に意味があることを、この声の仕事を2人でやらせていただけるようになって、つくづく感じるようになりましたね。そして、母親の私には見つけることのできなかった（＞＿＜）、男の子役の素養を見つけ、育ててくださっている皆様には心から感謝×感謝。

　「感謝！」と言葉で言っているだけでは伝わらないし……。そうそう、たくさんお世話になった、私をこの声の道に導いてくださった野村道子さんに「いっぱいお世話になってどうやってお返ししていいのか……？」と言うと「いい仕事をして返してちょうだい。それでいいのよ！」とニコニコ笑っていらしたっけ、道子さん。

　あなたも、お世話になっている皆さんには、うんとすてきな芝居をして、いい仕事をして、たくさんお返しをしていかないとね！！　皆さん！　11月8日からの「キャリー」は、いっしょに「ギャー！」と叫べる人と見に行ってください。私たちも母娘で映画館に見に行きますよ。

　★11月の大ラッキー星座＝さそり座……金運最高！　ギャンブル運抜群。ホラー小説＆映画が大吉。

　◇プロフィル

　潘恵子（はん・けいこ）＝東京都生まれ。「機動戦士ガンダム」のララァ・スン役や「聖闘士星矢」の城戸沙織役などで人気を集める。また、西洋占星術師としても「月刊ガンダムエース」（角川書店）、「のびのび子育て」（PHP研究所）などで連載を持つほか、「ララァのガンキャラ占い」（角川書店）など著書多数。