日本テレビ:若手監督によるドラマ枠「D−NEXT」の狙いとは?

日本テレビ提供
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 平均年齢28.5歳の若手ディレクターが1話完結ドラマの演出を手掛ける日本テレビの新企画「D−NEXT」がスタートし、6日から毎週水曜深夜に4週連続で放送される。若手ディレクターの登竜門とも言うべきドラマ枠が設けられるのは今回が初めてという。「日本テレビのドラマの次世代を担う人材を育成しようという試み」と意気込む荻野哲弘プロデューサーと、27日放送の「ハニーワイフの憂鬱」の演出を手掛けた小田玲奈さん(33)に話を聞いた。(毎日新聞デジタル)

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 「D−NEXT」スタートの経緯について、荻野プロデューサーは「全体的に見て、(日本テレビは)20、30代の人材が少ないこともあって、長い目で見たときにすばらしいドラマ作りができる体制を作ろうと。(局内で)新人監督にチャンスを与えようという話になったことがきっかけです」と説明する。

 ドラマの演出を手掛けるのは小田さんのほか、細川恵里さん(27)=6日放送「赤い靴」、高橋朋広さん(27)=13日放送「お仕置きノート」、岡本充史さん(27)=20日放送「流れ星」=の4人の若手ディレクターだ。若手といっても、ドラマのADやディレクターを務めていた人もいれば、情報カルチャーやバラエティーなどドラマとは畑違いの場所で経験を積んできたりと4人の経歴はさまざま。今回話を聞いた小田さんは入社以来、情報番組やバラエティー番組を手掛けてきた。ずっとドラマを作りたいと志望し、11年目にして初めて本格的なドラマを演出し「とにかく楽しかった。遠足前と後のような興奮状態」と振り返る。

 小田さんが初監督を手掛けた「ハニーワイフの憂鬱」は、夫とのセックスレスに悩む妻(ともさかさん)が“ソト恋”(浮気)をして女を磨くという女性の本音が詰まった大人のラブコメディーだ。「今まで浮気を描くドラマっていうと悪い女とかエロい女っていうイメージがあったと思うけれど、案外(浮気をする)入り口でウロウロしている人は多いんじゃないかなと思った」と、小田さんが日頃感じたり考えたりしていることが企画のもとになっている。

 撮影はセットではなく実在の飲食店を使っているという。「(ドラマを)見ている人が『あんなお店にいきたい』って思うリアリティーのある情報を入れたかった」と情報・バラエティー番組で培った経験をドラマに生かしている。小田さんは「情報やバラエティー番組にいたっていうことを無駄だと思いたくなかった」という。

 ともさかりえさんをはじめ、臼田あさ美さん、鶴見辰吾さんら深夜ドラマとは思えない豪華なキャストも特徴の企画だが、俳優陣、カメラマンなど現場スタッフ、ポストプロダクションのスタッフなど同企画に関わった人は皆「新しい才能に会いたい」という一心で「破格のギャラ」で協力してくれた人ばかりといい、まさに「皆の心が一つになった」作品だ。

 そんな若手ディレクターたちの奮闘に荻野プロデューサーは「今回は楽しかったと思うけれど、今後は絶対に壁にぶち当たると思うし、そういうものだと思う。そこを乗り越えるのは、1回目の楽しかったという気持ちだと思うので、今回の経験を糧に乗り越えてほしい。修羅場も前向きな気持ちで乗り越えてほしい」と激励の言葉を贈る。そして「どの作品も(若手ディレクターの)熱意が画面に出ている。役者もその熱にあおられてすばらしい演技を見せているのでぜひ見てほしいですね」と語った。

 「D−NEXT」は6日から毎週水曜深夜1時29~59分放送(放送時間の変更あり)。

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