注目映画紹介:「サカサマのパテマ」 “空に落ちそう”な少女がヒロインの冒険ミステリー

「サカサマのパテマ」の一場面 (C)Yasuhiro YOSHIURA/Sakasama Film Committee 2013
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「サカサマのパテマ」の一場面 (C)Yasuhiro YOSHIURA/Sakasama Film Committee 2013

 オリジナルの劇場アニメ「サカサマのパテマ」が9日に公開された。2008~09年にかけてネット配信され話題を呼び、10年に公開された劇場版もロングランヒットを記録した「イヴの時間」で知られる吉浦康裕監督による最新作で、監督自身が原作・脚本も手がけた。今作は、“空”を忌み嫌う風習を持つ世界に住む少年エイジ(声・岡本信彦さん)と、地底から“空”へ落ちそうになっていた“サカサマの少女”パテマ(声・藤井ゆきよさん)が出会うことからさまざまな出来事が巻き起こるファンタジー作品だ。

 地下世界に暮らす、地下集落の長の娘・パテマが、いつものように立ち入り禁止の「危険区域」を探検していると、予想だにしない事態に陥ってしまう。一方、“アイガ”と呼ばれる世界に暮らすエイジは、ある日、突然現れ必死にフェンスへとしがみつき、今にも“空”に落ちそうなパテマと出会う。2人の出会いは、やがて“真逆の世界”の謎を解く事件へと発展していく……というストーリー。

 「手を離したら、彼女は空に落ちていく」という印象的なフレーズ通り、サカサマなヒロインの登場は衝撃的だ。同じ場所にいて同じものを見ているはずなのにサカサマということで、実際は互いに見たり感じたりしている世界が異なり、分かり合えているようで今一つ理解できない他者との関係性がオーバーラップ。爽やかなタッチと王道のストーリーの雰囲気を保ちながらもその奥に深いテーマを感じさせる。緻密な設定の中で繰り広げられる“サカサマ”というギミックを効果的に使ったエモーショナルで、二転三転するドラマが今作の特徴で、トリップ感があり、見終わった後は、思わず空を見上げ、落ちていく感覚を味わいたくなる。9日から角川シネマ新宿(東京都新宿区)ほか全国で公開中。(遠藤政樹/毎日新聞デジタル)

 <プロフィル>

 えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もOKと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。

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