宮崎駿監督:“最新の仕事”パノラマボックスお披露目 「風の谷のナウシカ」新規描き下ろしイラスト 宮崎吾朗監督、ジブリパークのために制作

宮崎駿監督が制作した「パノラマボックス」の「風の谷のナウシカ/『ワァーごめん」』
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宮崎駿監督が制作した「パノラマボックス」の「風の谷のナウシカ/『ワァーごめん」』

 スタジオジブリ(東京都小金井市)の取材会が3月17日、同所で開かれ、宮崎駿監督の“最新の仕事”として、「パノラマボックス」がお披露目された。パノラマボックスは、箱の中に描かれた絵をのぞきこむと、奥行きのある風景が広がって見える仕掛け絵のような絵箱。宮崎駿監督は、2023年公開の劇場版アニメ「君たちはどう生きるか」の制作終盤から新たな取り組みとしてパノラマボックスを制作してきた。ジブリパーク(愛知県長久手市)に展示されるために作られたもので、7月8日から「ジブリの大倉庫」の企画展示室で公開される。

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 パノラマボックスは、正面から見ると、映画のワンシーンのような一枚絵に見えるが、実際は背景画やキャラクターなどが別々に描かれ、箱の中にそれぞれの絵が何層にも分かれて設置されている。視点を少し変えることで見える景色が変わるのが魅力となっている。「風の谷のナウシカ」から「君たちはどう生きるか」までの長編アニメをはじめ、短編アニメやオリジナル新作など全て、宮崎駿監督による描き下ろしイラストを使用している。この日は、23点のパノラマボックスがお披露目された。

 取材会には、鈴木敏夫プロデューサー、宮崎吾朗監督が登場。宮崎吾朗監督は、パノラマボックスの制作について「宮崎駿が2022年の6月くらいから始めていた。当時は『君たちはどう生きるか』の制作中で、作画の仕事は終わり、仕上げの作業に入っていたので、宮崎駿はやることがなくて、『ジブリパークに俺の何かを展示させてやろう』と。宮崎駿いわく、『吾朗のために、ジブリパークのために作るんだ』と始めたのがパノラマボックスです」と説明した。

 パノラマボックスという名称は、宮崎駿監督の造語であるといい、一般的にはアートボックスなどと呼ばれるという。宮崎吾朗監督は今回のパノラマボックスの特徴について「一般的には真横から見るように、舞台を見るような形で作られることが多いのですが、宮崎駿のパノラマボックスの特徴は縦なんです。縦構図を多用していて、要するに俯瞰、あおりとカメラを上下に動かしたような絵を結構作っている。そういう空間を作っているっていうのは、とても宮崎駿らしいなと思います」と語った。

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 宮崎駿監督が慣れ親しんだ紙と鉛筆、絵の具、ペンで作られているといい、宮崎吾朗監督は「自分が作るというのがポイントだと思うんです。人にやらせたものじゃ多分ダメなんですね。自分が設計図を書いて、自分が描いて作るところに多分意味があったんだと思うんです」と話した。

 鈴木プロデューサーは、「宮崎駿は、パノラマボックスを本当に真剣に作っていたんですが、絵の力が衰えていない。ここに来てさらに進化している。ジブリパークって吾朗君が作ってきたでしょ。人の作ったものにあまり興味がない人なんですよ。吾朗君を否定して自分が前へ出る絶好の機会なんですよ、これは。それが、面白いものを作ることがあの人の原動力なんです。相手が誰だろうが関係ないんです。人に負けない面白いものを作って、それを世間に出して、『どうだ、これは』ですよね。そういう人です」と語った。

 パノラマボックスは子供たちの目線で制作されており、この日、取材会の前に近隣の子供たちがパノラマボックスを見に来たという。吾朗監督は「子供たちもすごく面白がって見てくれたんですけど、その様子を見た宮崎駿の感想がよかったんですよね。『子供のためのジブリが帰ってきた』と。すごく喜んでいましたね」と明かし、その際に駿監督から握手を求められたと語っていた。

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