注目映画紹介:「タイガーマスク」 現代風に生まれ変わったヒーローをウエンツ瑛士が好演

(C)2013「タイガーマスク」製作委員会
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(C)2013「タイガーマスク」製作委員会

 梶原一騎さんと辻なおきさん原作のマンガを実写映画化した「タイガーマスク」(落合賢監督)が9日に公開された。特殊マスクにより“タイガーマスク”となった主人公・伊達直人が、愛する者や子供たちのために戦う姿を描き、アニメ化や同名のプロレスラーが活躍するなど人気を集めた。実写版ではウエンツ瑛士さんが主人公を務め、ヒロイン・若月ルリ子を夏菜さん、悪役で「虎の穴」の幹部・ミスターXを哀川翔さんが演じる。原作の基本設定を受け継ぎつつ現代風にアレンジされたタイガーマスク誕生秘話が語られる。

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 児童養護施設ちびっこハウスで暮らしていた伊達直人は、ミスターXにスカウトされ最強の闘士となるべく“虎の穴”で特訓の日々を送る。10年後、特殊マスクを身に着け“タイガーマスク”となった直人は、ブラックマネーが飛び交う地下格闘界の試合に出場。しかし次第に虎の穴の方針に疑問を感じ始める。同じころ、幼なじみのルリ子と再会し……というストーリー。

 特殊なマスクを装着すると全身をアーマー風のスーツが包みタイガーマスクに変身……という予想だにしなかった変身ギミックと、スタイリッシュなデザインには冒頭から驚かされる。そして、物憂げな表情のウエンツさんは、普段の親しみやすい笑顔といったイメージをいい意味でガツンと壊し、男らしく骨太なキャラクターを熱演しており、必見だ。マスクについてはウエンツさんが変身するものを含めてサプライズ満載で、映画のタイトルにもかかわる謎が回収されていくさまは爽快感すら感じる。哀川さんの徹底したヒールぶりや、プロレス中継でおなじみの辻よしなりさんなど、豪華なゲスト陣も見逃せない。ダークな雰囲気をまとった特撮テイストの今作は、“新世紀のタイガーマスク”と銘打ってもいいかもしれない。9日からTOHOシネマズ 六本木ヒルズ(東京都港区)ほか全国で公開中。(遠藤政樹/毎日新聞デジタル)

 <プロフィル>

 えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もOKと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。

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