2014年に開業100周年を迎える東京駅を舞台に六つの物語が交錯する「すべては君に逢えたから」が22日から全国で公開された。六つの物語を動かしていくのは、玉木宏さんや木村文乃さん、時任三郎さん、倍賞千恵子さんら若手、ベテラン混成の10人。これからの時期、クリスマス気分を盛り上げるにはまたとない作品だ。
ウナギノボリ
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女性不信の会社社長(玉木さん)と女優になる夢をあきらめた女性(高梨臨さん)、遠距離恋愛中のカップル(木村さん、東出昌大さん)、新幹線の運転士を辞めた50歳の男性とその家族(時任さん、大塚寧々さん)、東京駅のそばで小さなケーキ店を経営している年配の女性(倍賞さん)……そこに本田翼さん、市川実和子さん、小林稔侍さんが加わり、それぞれに事情を抱える男女10人の悲喜こもごもが、イルミネーション輝く東京駅を背景につづられていく。メガホンをとったのは「釣りバカ日誌13 ハマちゃん危機一髪!」(02年)や「犬と私の10の約束」(08年)、「おかえり、はやぶさ」(12年)などの作品で知られる本木克英監督。脚本を、これまで「僕の歩く道」(06年)、「不毛地帯」(09年)、「フリーター、家を買う。」(10年)といったテレビドラマを手がけてきた橋部敦子さんが担当している。
群像劇の体裁をとり、10人はどこかしら、何かしらで関係を持っている。奇をてらった作りではないがそこにはむしろ安心感があり、いずれも心温まるストーリーで心を和ませてくれる。復元工事が完了した東京駅がしばしば姿を見せるが、あくまでも主人公は人。駅舎が登場人物を引き立たせる“脇役”に徹しているところが好感が持てる。人気男性デュオの「ゆず」が作詞、作曲したテーマソング「守ってあげたい」を、男性から女性への気持ちをゆずが、女性から男性への気持ちをJUJUさんが歌うという粋な演出もなされている。ちなみに今作は03年の米英合作映画「ラブ・アクチュアリー」をイメージして作られたという。なるほどそれならビジュアルがうり二つのポスターやチラシにも納得だ。22日から丸の内ピカデリー(東京都千代田区)ほか全国で公開。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)
<プロフィル>
りん・たいこ=教育雑誌、編集プロダクションをへてフリーのライターに。映画にまつわる仕事を中心に活動中。大好きな映画はいまだに「ビッグ・ウェンズデー」(78年)と「恋におちて」(84年
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