ドラゴンボールDAIMA
第11話 デンセツ
12月23日(月)放送分
劇場版アニメ「ルパン三世vs名探偵コナン THE MOVIE」が7日に封切られた。今作は、人気アニメ「ルパン三世」と「名探偵コナン」のコラボ企画2作目にして初の劇場版アニメで、米花町を舞台にルパンとコナンの対決が繰り広げられる。ゲストとして声優に初挑戦した俳優の内野聖陽さんと女優の夏菜さんに話を聞いた。(遠藤政樹/毎日新聞デジタル)
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声優に初めて挑戦することを聞いたときのことを、内野さんは「声優をやったことがないし、映画のアテレコもやったことがない。『ルパン三世』はよく見ていたので、敵役、対峙(たいじ)するような役をやっておかないといつやるんだという気持ちで即答です」と笑う。夏菜さんも「(「名探偵コナン」は)小さいころからずっと見ていたマンガですし、声優さんはいつかやってみたいというお仕事の一つ。しかも『夏菜さんに似ているから夏菜さんがいい』と言ってくださったのがすごくうれしくて、不安と緊張はありましたが、楽しくなりそうだなと思いました」とオファーを受けた当時の心境を明かした。
両作へのイメージを、内野さんは「(『ルパン三世』は)欠かさず見るアニメでした。面白いアニメを見るのが僕らの子ども時代の楽しみで、お年寄りが毎週『水戸黄門』を見るような感じで見ていました。子ども心にもフランスの大銀行からいきなり何かを盗んでしまうなどは無理だろうと思いながらも、ルパンなら軽くやってのけてくれるというある種のカタルシスや、『わあー、銭形が来たぞ』みたいな単純な楽しみ方ですが、楽しかった」と「ルパン三世」について語る。一方、夏菜さんは「ルパンのアニメは弟が大好きで、映画作品を毎日のようにDVDを借りて、昔のものからよく見ていました。ルパンは赤ジャケットもピンクのも見たことがあります」と思い出を語った。
謎めいた男のアラン・スミシーを演じた内野さん。役を演じる上で心掛けた点を「とある目的を持った男なので緊張感は常に大事だと思っていたことと、あまり重いキャラクターにならないようには注意していました。少しセクシーな感じというのを絵コンテの段階で触発されたので、ちょっと色っぽい感じもどこかあるといいのかなと思いつつ、やらせていただきました」と話す。美人マネジャーのクラウディア役の夏菜さんは「26歳の役とは聞いていたのですが、すごく大人びた頭のいい冷静な女性だったので、私の頭の中では勝手に35歳ぐらいのイメージで演じました。それぐらいがちょうどよく、声を落ち着かせて、なるべくはしゃがないことを意識してやりました」と役作りについて明かした。
どちらも声優初挑戦だったが、互いの声の印象を聞くと、夏菜さんは「内野さんは本当に素晴らしく、うまくてうまくて。うまいといったら申し訳ないぐらい。アラン・スミシーそのものだし、なんで私、内野さんと同じ作品に出てしまったのだろうと思い、若干、後悔しています……」と冗談めかしつつも大絶賛。夏菜さんのコメントに照れながら、内野さんは「公開アフレコのときに(夏菜さんが演じる声を)お聴きして、なんとまあ24歳でこんなに上手なんだ!という気がしました。僕が一番最後の収録で一人ぼっちで収録したのですが、そのときにはクラウディアの声は入っていて『これ夏菜ちゃんの声!? 見事だな』、と。悩んでいる女性の感じ、若さの心の揺れみたいなものが、すごく声から感じられるのが素晴らしく、僕も悔しかったです」とべた褒めした。
俳優と声優の違いを感じたかと聞くと、内野さんは「これだけ声に集中させることがあまりなく、声の中にだけ込めないと、いくらアラン・スミシーの服を着てきても、アラン・スミシー風のヘアにしてきてもしょうがない……」と笑いを誘う。そして「どういう表現をしたいのかという内部的なものと、アニメのビジュアルをどう添いとげるかというテクニックも必要だなと思い、自分がやりたい放題にいくよりも、アニメがある意味、ガイドラインを与えてくれていて、そこの中でどれだけ自由にキャラクターを声で伝えられるか。だから声にすごく集中しました。スピードや声の高さなど、声はこんなに人の印象を変えるのだなと(感じた)」という。
夏菜さんが俳優と声優について「顔が(出て)ないから全部違う」というと、内野さんは「画と合わせるのに気を使った。難しかった」と感想をもらす。「キャラクターの口がぱくぱくしている間に乗せたいと思って(声を)当てるんだけど、口ばかり気にしちゃうと思いがこそげ落ちちゃう。アニメの方でなんとでもなるので……と言われましたが、どうしても口が動いたり止まったりというところで、こっちの思いと添いとげなくちゃいけない。結構神経を使います。本当はこっちで自由にアニメにたくさん(のものを)与えないといけないのだけど、やり過ぎると味わいがなくなっちゃう。そのせめぎ合いはありました」と内野さんは苦労を振り返った。
今後声優をやるならどのような役をやりたいかと聞くと、2人とも「人間以外のキャラクターをやりたい」と口をそろえる。「“ほげほげ”したキャラクターがいいです。卵形の丸っこい感じ(笑い)」と夏菜さん。内野さんは「実写には限界があるようなことをやってみたい。風とか火の魔神とか雪とか、声が想像つかないものをやってみたいですね。役者をやっていれば人間はできるので、人間ではない方に興味があります」と語った。
見どころについて夏菜さんは「二つのマンガ、アニメが一つの背景の中に収まっているのが衝撃なので、見れば見るほど面白いポイントというのがいくつも出てくる。『ルパンvsコナン』だけれども、周りを取り巻く少年団とか次元や銭形警部、怪盗キッドなど、サブメンバーの楽しみは私自身が見ていてすごく好きなので、皆さんにもぜひ楽しんでもらいたいです」とアピールした。
一方、内野さんは「彼女の言う通りです」と笑わせた後、「どっちの世代も楽しめると思う。僕は『コナン』を知らなくて、この機会で面白いと思えたので、もし余裕があったら劇場に来る前にルパン世代はコナンを、コナン世代はルパンを少しでも見ておくとより面白いと思います。これを機に世代間が歩み寄れたりするとすてきですね。作りはスリリングでハラハラしてどうなるのか最後まで引っ張る、とてもいい娯楽大作になっていると思うので、冬休みに家族そろって見にいけるなと。見どころはいっぱいあるので、心配しないで!」と笑顔で話した。続けて「特に次元とコナンのバーのシーンがいい」と内野さんが言うと、夏菜さんが「それ私の大好きなシーンです。言わないでくださいよ」と笑いながら突っ込んでいた。映画は新宿バルト9(東京都新宿区)ほか全国で公開中。
<内野聖陽さんのプロフィル>
1968年9月16日生まれ、神奈川県出身。1992年に文学座研究所に入所し、1997年に座員となる。舞台俳優として活躍するかたわら、1996年に出演したNHK連続テレビ小説「ふたりっ子」で注目を浴びる。以降は多数の作品に出演し、2007年のNHK大河ドラマ「風林火山」や、2009年のテレビ朝日系ドラマ「臨場」などでは主演を務める。
<夏菜さんのプロフィル>
1989年5月23日生まれ、埼玉県出身。ドラマ「ガチバカ!」(2006年、TBS系)でデビューし、「君に届け」(10年)で映画に初出演。2011年には「ピカルの定理」(フジテレビ系)でバラエティー番組のレギュラーの座を勝ち取るなど、タレントとしても活躍。12年にはNHK連続テレビ小説「純と愛」で初主演を果たす。今年公開の映画「監禁探偵」で主演、実写映画「タイガーマスク」にも出演している。
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