注目映画紹介:「くもりときどきミートボール2」 おいしそうで可愛い食べ物の姿をした動物が躍動

「くもりときどきミートボール2」の一場面
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「くもりときどきミートボール2」の一場面

 水を好きな食べ物に変える“食べ物マシーン”が巻き起こす騒動を描いた劇場版3DCGアニメ「くもりときどきミートボール」(09年公開)の続編「くもりときどきミートボール2 フード・アニマル誕生の秘密」(コディ・キャメロン監督、クリス・パーン監督)が28日に公開された。「くもりときどきミートボール」は、ジュディ&ロン・バレットさんの同名の児童書を映画化し話題を呼んだ劇場版アニメで、続編となる今作では前作のラストシーンの60秒後からスタート。発明好きの主人公の青年が作り出した食べ物マシーンが、食べ物と動物を合体させ、奇妙な生物を生み出したことで巻き起こる出来事を軸に、主人公たちが事態を打開するため冒険を繰り広げる。

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 偉大な発明家を夢見るフリント・ロックウッドは、水を食べ物に変える“食べ物マシーン”を発明したが、装置の故障でミートボールやハンバーガーが巨大化し、町を大混乱に陥れてしまう。装置を破壊し町を救ったフリントだが、壊したはずの食べ物マシーンが再び動き出していたことを知る。装置が生み出した食べ物と動物が合体した謎の生物“フード・アニマル”は、島を占拠。フリントは世界を救うために仲間たちと島へ向かい、フード・アニマルとの戦いに挑む……という展開。

 食べ物と動物を掛け合わせた生き物のフード・アニマルたちは、デザイン面だけでなく“チーズパイダー”や“ヌマシュロ”をはじめ、ネーミングの語呂合わせにもこだわりがあって面白い。ちなみに今作は続編ではあるものの、前作を見ていない人のために冒頭であらすじを説明してくれるという親切さで、仮に説明がなかったとしても上映が始まれば、奇想天外な世界観とおいしそうなのに可愛らしいフード・アニマルの姿に夢中になってしまうはずだ。ポップな色合いでテンポのいい展開で進んでいく冒険に、適度に差し込まれる笑いの要素がスパイスを利かせている。夢に向かって進むこと、仲間や友情、あきらめない心、そして共存共栄などのメッセージ性も持ちつつも、軽妙に楽しませてくれるコメディー作品だ。新宿ピカデリー(東京都新宿区)ほか全国で3D、2Dで公開中。(遠藤政樹/フリーライター)

 <プロフィル>

 えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。

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