ゲーム質問状:「うた組み575」 小豆と抹茶が誘うパズル&リズムアクション

「うた組み575」(セガ、PSVita)
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「うた組み575」(セガ、PSVita)

 ゲーム制作に込めた開発者の思いを聞く「ゲーム質問状」。今回は、五・七・五形式で言葉を組み合わせていくパズルとリズムアクションが融合したゲーム「うた組み575」(セガ、PSVita)です。プロデューサーの森本兼次郎さんに作品の魅力を聞きました。

ウナギノボリ

 −−ゲームの内容について教えてください。

 鎌倉に住む2人の女子高校生、正岡小豆(まさおか・あずき)と小林抹茶(こばやし・まっちゃ)。彼女たちは学校行事や季節イベントなど、身近で起きる出来事や感情を五七五形式のコトバで表し、そのコトバをつないで歌って踊る「575」という活動をしています。彼女たちの歌は動画サイトに発信され、そこでの視聴者数(ゲーム評価)を得ることで、物語は進んでいきます。1年間を通して語られる彼女たちの“ゆるふわ青春物語”と、物語の進行によってオープンしていく全34の楽曲をお楽しみください。

 −−セールスポイントは?

 「うた組みアクション」と呼んでいますが、一言で説明すると「コトバを組み合わせて歌詞をつくり、できあがった歌詞をリズムでたたく!」。いままでのリズムゲームにはない、新しい遊び方になっています。ゲームはこの右脳と左脳を交互に使うアクションで、彼女たちの歌と踊りのパフォーマンス(生放送番組)の視聴者数をあげることがゲームの目的です。ヤマハの歌声合成技術「ボーカロイド」を搭載しており、ユーザーの方が組み上げた歌詞を小豆と抹茶がそのまま歌い上げてくれます。楽曲数は全部で34楽曲。基本プレーは尺の異なる三つの難易度を用意。アーティストのオリジナル歌詞を覚えた方には、いわゆる替え歌でのプレーが楽しめる投稿歌詞や、お好みの歌詞にアレンジする機能など、ボーカロイドを搭載しているからこその、さまざまな楽しみ方ができるようになっています。

 −−企画のコンセプトは?

 「うた組み575」は、ユーザーやアーティストいろいろな方々に参加いただいて一緒に盛り上げていこうという、セガとしては初の試みとなる「project 575」の中の一コンテンツです。昨年7月にサービスを開始したiOSアプリ「うた詠み575」を皮切りに、マンガやノベル、現在放送中のアニメ「GO!GO!575」とさまざまなコンテンツを展開しています。実はこのプロジェクトはもともと「うた組み575」のゲームの企画から始まっていて、一つのゲームを展開していく上でキャラクターや世界観の訴求を図っていく座組みを考えて、いまの「project 575」の形になりました。そういう意味では、この「うた組み575」は僕にとって集大成であり、世に出たことで“はじめの一歩”となった作品ともいえます。

 −−かんざきひろさんを起用した理由は?

 起用したいと思うアーティストの方は何人かいました。それぞれ特徴的なキャラを描く方でしたが、僕は特にかんざきさんの描くキャラの目の透明感が好きで、アニメタッチはもちろん、3Dモデルで表現しても受け入れられるのではないかという思いがあり、アプローチさせていただきました。実際に設定画をいただいてからモデルに起こすのはかなり苦労しましたが、かんざきさん自身にも気に入っていただけたようで満足のいく形に仕上がったのではないかと思います。

 −−ゲームの開発で苦労したこと、面白いエピソードを教えてください。

 そうですね。企画当初「うたパズル」的な内容のゲームを考えていたのですが、「歌とパズルの融合」という想像ではなかなか補えないものだったので、言葉で伝えるよりも映像で表現した方が面白さが伝わりやすいかと思いました。とはいえ僕とディレクターの吉永の2人しかいないわけで、でもとにかくいち早く映像を作りたかったのでMMDというツールでフリーの女子高校生モデルを使って、その娘たちが歌って踊るパフォーマンス映像を作りました。作詞、作曲、振り付け&ゲームUI、アニメーションと全部一人でこなしたのですが、なんかもう仕事というより趣味の世界に入っていて異常に楽しかったですね。この映像そのままニコニコ動画に投稿できないかな……とか本気で思っていました。

 −−今後の展開、読者へ一言お願いします。

 はい。1月23日にPSVita用ソフト「うた組み575」が発売となりました。すでにサービス展開しているiOSアプリ「うた詠み575」、それとアニメの「GO!GO!575」と、575の世界を楽しむための入り口は三つ用意されています。どの入り口から入っていただいても結構ですし、すべてのコンテンツをご賞味いただければとてもうれしいです。皆さんに応援していただければ、小豆と抹茶にもっといろいろな舞台に立たせてあげられるのではないかと思いますので、未体験の方はこれを機に575の世界にどっぷりハマっていただければ幸いです。

 「うた組み575」プロデューサー 森本兼次郎

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