潘ちゃん×潘さん交換日記:キュアプリンセスのプリキュア考 潘めぐみ

初めていただいたおもちゃの中から、キュアプリンセスのぬいぐるみと一緒に。
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初めていただいたおもちゃの中から、キュアプリンセスのぬいぐるみと一緒に。

 みなさん、おはようございます! こんにちは、こんばんは、はじめまして! 潘めぐみです!

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 このコラムが更新されたということは、1カ月がたったということになるのですね。それは1月も2月になりますよね。あたり前のことではあるのですが、年が明けてからというもの、時間の経過があまりにも早くて、早くて……

 しかしながら、毎日がとても充実しております! お正月の三が日を過ごした通りに日々が続いていくね、お母さん!

 時間の過ぎ行く早さに、もう2月になってしまったのかと、そう思うのと同時に、ようやく待ちに待った2月になったという感覚が同居している今。

 それは、2月2日から「ハピネスチャージプリキュア!」の放送が開始されたからだったりします!

 この1カ月は、プリキュアとして過ごした時間が、とても濃密で。本編のアフレコが始まり、記者会見を経て、さっそく劇場版のアフレコがあって、他にもいろんなものの収録をして……。収録後には、皆さんとご飯を食べに行ったり、一緒に出かけたり……。本当に一日が一日以上に一日な、充実した日々を過ごさせていただいております。

 アフレコ現場をはじめ、皆さんと共に過ごす時間と空間すべてが、とても「幸せハピネス」なんです。はじまって間もないのに、作品が、現場が、皆さんのことが本当に大好きで、まさに「ビッグな愛」で包まれているのです。

 そんな中、記者会見が行われ、キュアラブリー役の中島愛さん、キュアフォーチュン役の戸松遥さんと共に登壇させていただきました。緊張しつつも、和気あいあいなアフレコ現場の雰囲気が、そこにあって。

 その登壇させていただいた場には、キュアラブリー、キュアプリンセス、キュアフォーチュンも駆け付けてくれました。うれしかったなあ。自分が声を当てているキャラクターでありながらも、彼女たちが本当に目の前にいるんだということに、感動しました。

 記者会見でもお話しさせていただいたのですが、自分がプリキュアを演じさせていただくにあたって気づいたことがあります。それは、誰もがプリキュアになれる可能性を秘めているということ。

 というのも、プリキュアである彼女たちは、変身することでプリキュアになることができる。つまり、変身する前の姿が彼女たちにあるということ。その姿は、私たちと同じ。日常があって、家族が、友達が、かけがえのない大切なものがある。プリキュアは、特別でいて、どこか身近な存在であると。

 実際に、私が演じているキュアプリンセスも、もともとは、一国のお姫様であり、白雪ひめとしての日常がある。そんな彼女がプリキュアとして戦う理由は、悪の組織、幻影帝国に支配された故郷、ブルースカイ王国を救うため。だけど、勇気がない。自信がない。それを誰かのせいにしてしまったり、強がっては優しさを突っぱねてしまったりして。そんな自分を変えたい、変わりたい、と思っている。

 そんなとき、主人公の愛乃めぐみと運命的な出会いを果たし、ひめにとっての初めての友達となり、彼女の中で何かが少しずつ、けれど大きく変わっていく。変えたい、変わりたい、という思いは、一種の変身願望だと思っています。

 今作のコンセプトの一つに「オシャレ」があると聞きました。「オシャレ」は、私たちの生活の中で、変身願望をかなえてくれる身近な方法の一つです。外見の変化はもちろんのこと、「オシャレ」は自分に自信をつけてくれ、中身も変えてくれます。これは自分のためだけでなく、自分以外の人への配慮にもなりうると思うのです。

 そして、ひめの大好きなことが、この「オシャレ」。どうやら「オシャレ」には自信があるようです。 めぐみと友達になるため、声を掛けるにも、おそれや恥ずかしさで勇気を出せずにいたひめが、「オシャレ」によって、めぐみと言葉を交わすことができるようになる。「オシャレは、出会いとひらめきとチャレンジよ!」

 また、ここで触れておきたいのが、今回の変身アイテムである「プリチェンミラー」。名前にもあるように、まさに「鏡」です。普段、私たちの生活の中で、「オシャレ」をしたとき、身だしなみをチェックするのに使いますよね。これまたとても身近な存在です。

 この「鏡」は、作中の至る所で出てくるのですが、オープニングテーマにも「みんな心に鏡を持っているよ」という歌詞があるように、身も心も映し出すという意味で、「鏡」は物語の中でも、私たちの日常においても、重要な位置にある気がします。白雪ひめ、鏡、どこか童話の因果を感じたりして。

 さて、まだまだ語り尽くせませんが、まだまだ収録も放送も始まったばかり。これからゆっくりじっくりつづっていきたいと思います。

 そういえば、前回の潘さんのコラムでブルーの話がありましたね。そうなんです。私は、小さいころから青い色、ブルーが大好きで。ピンクかブルーという洋服の選択肢も、必ずブルーを選んでいたし、我が家には、本当にブルーがあふれているのです。潘さんによると双子座のラッキーカラーがパステルブルーだそうで。そういえば、今回のプリキュアでは、ブルーはプリキュアの色だけではなく、地球の神様の名前も「ブルー」! もしかしたら、今回のプリキュアの青も、色が運んでくれた縁(えにし)なのかもしれないね、お母さん。

 さてさて、2月2日から放送が開始された「ハピネスチャージプリキュア!」ですが、放送直前の2月1日に池袋サンシャインシティで開催された「おひろめカーニバル」に、中島愛さんと共にお邪魔させていただきました。

 当日の朝7時ごろ、最寄り駅に向かっていく電車の中、最寄り駅からサンシャインシティまでの道のり、サンシャインシティからホールへ続くエスカレーターで、親御さんをせかしながら手を引く子供たちに目頭をアツくさせながら、たくさんのお客さんと一緒に会場へ。

 開場時間の朝8時前から会場の外にはお客さんの長蛇の列。寒い中、朝早くから、とてもあたたかな光景を目の当たりにして、ハピネス注入。

 それから最初のステージへ。既に超満員のお客さん。アニメの第1話のダイジェストが上映された後、ステージ上にラブリーとプリンセスが現れて戦うアトラクションショーへ。

 プリキュアがピンチになると、客席に向かって応援をお願いするよりも先に、あちらこちらから「がんばれー! プリキュアー!」の声が聞こえてきて、目頭がアツくなり、身も心も震えました。あの感覚は、あの光景は忘れられない、一つの財産。この感動に幸せチャージ。

 たくさんの幸せハピネスが、全身(全心)に注入されているので、これからも「みんなに幸せフルフルチャージ!」していきます!

 こうして日々の原動力になるハピネスの力ですが、それは日々、自分の中だけでなく、それ以外のところから多く得ている気がします。

 たとえば、おいしいものを食べられることも、幸せの一つだけれど、食べ物にしても、その材料一つにしても、作ってくれた誰かがいて、幸せになれる。遊び一つにしても、そう。アニメやゲームをして楽しむにしても、その作品を作った人たちがいるわけで。幸せは、そうした人の関わり合いの中で成り立っているのだと、最近しみじみと感じます。

 前回のコラムで「皆さんに再びお会いできる作品がある」というお話をしましたが、その一つがゲーム「The Last of Us」です。私は、この作品の中で、エリーという少女を演じさせていただきました。再び皆さんのもとに、エリーとして会いに行くことができる幸せ。これは、作り手の方々やプレーヤーである皆さんがくれたものだと、そう思っています。

 半年前にリリースされたこの作品。今回、その追加エピソードがダウンロードコンテンツとして、2月14日から世界で配信が開始されました。そのタイトルは「残されたもの」。「The Last of Us」で主人公ジョエルとエリーが出会うよりも前、エリーと彼女の親友ライリーの物語。ライリー役は、最近、親友役として数々の作品でご縁のある、田村睦心さん。いつも「むっちゃん」と呼ばせていただいているので、以降、むっちゃんとさせていただこうかと思います。

 縁というものは本当に不思議で、会える時には、相重なって会える日が続くもの。作品で共演させていただく機会もそうです。むっちゃんと初めて共演してから約1年ほど、親友役としては、本当にごく最近、共演させていただく機会が多く、とても縁を感じているのです。

 しかしながら、ゲームは、互いに個別での収録。スタジオではすれ違うこともなく、会うことがかなわなかったのです。掛け合いのシーンでは、むっちゃんが演じるライリーの声を聞けるところは聞きながら、そうでないところは想像しながら、エリーを演じさせていただきました。

 そして、先日、「残されたもの」の打ち上げがありました。その打ち上げでは、実際にむっちゃんと一緒にゲームをプレーさせていただきました。最終的には、関係者の方にプレーしていただきながら、完成されたシーン一つ一つを、じっくりと見させていただいたのですが、エリーを演じさせていただいた身として行く末を知っていながらも、思わず涙がこみ上げてきました。

 本編の内容にしてもそうですが、完成されたものを見た感動と感謝の気持ちでいっぱいになって、あふれ出てしまったのです。

 収録するのは1人でも、その場には、ディレクターの方をはじめ、スタッフの皆さんがたくさんいらっしゃって、むっちゃんのライリーの声が聞こえて……。たくさんの方に導かれてエリーとして歩んで来られたのだと、そう思ったのです。映像、音楽、もとのすべてを引っくるめたら、広い海を越えて、世界中の皆さんのおかげ。なので、ぜひこの機会に「The Last of Us」を、そして「残されたもの」を、お手に取っていただければと思います。エリーとして、皆さんのもとに。

 書きつづってきました今回のコラムも、そろそろ潘さんにお渡ししようかと思います。

 と、その前に……。

 最近は、このコラムを書くにあたって、写真を撮る機会が増えましたので、今回はこちらに掲載した写真にまつわるお話も書かせていただきました。写真の下にコメントを付けておきますので、全部見てくださいね。写真を撮って残しておく大切さみたいなものが、このコラムを書くことで、より倍増したような気がします。

 それでは、また来月お会いしましょう。潘さん、よろしくお願いいたします。

 ◇プロフィル

 潘めぐみ(はん・めぐみ)=1989年、東京都生まれ。2008年に映画「櫻の園」の一般公募オーディションに合格し女優デビュー。ドラマ「オトメン−乙男−」のほか舞台などにも出演。11年に、100人を超えるオーディションをへて、アニメ「HUNTER×HUNTER」の主人公・ゴン役に抜てきされた。アニメ「ハピネスチャージプリキュア!」の白雪ひめ役、ゲーム「The Last of Us」のエリー役などを好演し注目を集めている。

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