トム・クランシーさん原作の人気スパイ小説、ジャック・ライアン・シリーズを原案に映画化した「エージェント:ライアン」が15日から全国で公開された。同シリーズはこれまでも映画化されてきたが、今作はライアンがCIAエージェントになるまでを描いた、いわゆる“エピソードゼロ”に当たり、脚本を担当したアダム・コザッドさんとデビッド・コープさんによるオリジナルストーリーが展開する。新生ジャック・ライアンを演じるのは、「スター・トレック」(2009年)でジェームズ・T・カークを演じたクリス・パインさん。ライアンの恋人役でキーラ・ナイトレイさん、ライアンの上官役でケビン・コスナーさんが出演している。
あなたにオススメ
「豊臣兄弟!」では池松壮亮が! 大河ドラマ“秀吉俳優”史を振り返る
ニューヨークのウォール街にある投資銀行で働くライアンは、実は経済界の不審な資金の流れを探るCIAのアナリスト。彼はある日、モスクワの投資会社チェレビン・グループの不穏な動きに気付く。報告を受けた上官ハーパー(コスナーさん)は、ライアンを現地に向かわせる。初めての現場任務に戦々恐々と就いたライアンだったが……という展開。
もはや核爆弾と大掛かりなアクションだけではいまどきのスパイ映画は成り立たないとばかりに、経済や情報戦といった知的なネタが仕込まれている。それでいて専門用語が次々と出てきて分かりづらくなることはなく、ほどよくアクションを盛り込み、サスペンスとスピード感に富んだ作品に仕上がっている。ジャーナリストの池上彰さんが字幕を監修したことで、複雑な世界情勢が分かりやすく“解説”されていることの効果も大きい。ライアン役のパインさんは、当初、「スター・トレック」のカーク役との差別化が懸念されたが、今作では初心者のスパイ1年生をなんなくこなし、“新生ジャック・ライアン”にふさわしい活躍を見せている。「マイティ・ソー」(11年)でメガホンをとったケネス・ブラナー監督が手掛けた。ブラナーさんはチェレビン役もこなしており、世界恐慌を企てるロシアの悪人を貫禄たっぷりに演じている。15日からTOHOシネマズスカラ座(東京都千代田区)ほか全国で公開中。(りんたいこ/フリーライター)
<プロフィル>
りん・たいこ=教育雑誌、編集プロダクションをへてフリーのライターに。映画にまつわる仕事を中心に活動中。大好きな映画はいまだに「ビッグ・ウェンズデー」(78年)と「恋におちて」(84年)。
ディズニー・アニメーション・スタジオの最新作「モアナと伝説の海2」(12月6日公開、デイブ・デリック・ジュニア監督ほか)のモアナを取り巻く個性豊かな新キャラクターの日本版声優が1…
映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3」に登場する機関車の玩具「超合金 THE TRAIN(仮)」が、11月15~17日に東京・秋葉原で開催されるイベント「TAMASH…
今年8月に最終回を迎えた特撮ドラマ「仮面ライダーガッチャード」の続編となる、Vシネクスト「仮面ライダーガッチャード GRADUATIONS」に、仮面ライダーヴァルバラド/黒鋼スパ…
11月11日に発表された8~11日の映画観客動員ランキング(興行通信社調べ)によると、諫山創さんの人気マンガが原作のテレビアニメ「進撃の巨人」の最終章となる「The Final …