マンガ質問状:「ファンタジスタステラ」 本田圭佑が原案協力 作者とサッカーも

草場道輝さんのサッカーマンガ「ファンタジスタステラ」(小学館)
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草場道輝さんのサッカーマンガ「ファンタジスタステラ」(小学館)

 話題のマンガの魅力を担当編集が語る「マンガ質問状」。今回は、草場道輝さんのサッカーマンガ「ファンタジスタステラ」です。小学館「少年サンデー」編集部の和田裕樹さんに作品の魅力を聞きました。

ウナギノボリ

 −−この作品の魅力は?

 作者・草場道輝先生の代表作となったサッカーマンガ「ファンタジスタ」(以下前作)。本作では主役の坂本轍平ほか前作の登場人物が日本代表として世界の強豪国と戦う物語です。物語は2010年のワールドカップから始まり、日本はベスト16に進出するも敗退。そこで感じた世界のトップクラスとの差を埋めるべく、各自が個の力を高めて次の2014年ワールドカップ優勝を狙います。

 サッカー日本代表の本田圭佑選手に原案協力してもらい、本人が本人役で登場してくる点も見逃せません。本田選手から直接聞き出したさまざまなエピソードを各所に盛り込んでいますので、リアルさが違いますよ!

 −−作品が生まれたきっかけは?

 本田圭佑選手が前作の読者だったことがきっかけです。かつて草場道輝先生との対談の中で「今度、僕もマンガに出してくださいよ」といった雑談がありました。それを本当に面白いからやってみようという感じのノリで始めたのがスタート地点ですね。実際にやってみたら……草場先生はマンガの世界に実在の選手を出すということに相当苦労されていました。

 必殺シュートとかが出てくるような世界観ではなかったとはいえ、並の選手ではやはりマンガの主人公たちには対抗できませんので。本田選手本人が、いい意味でマンガの登場人物みたいなところもあるので……マンガの人物たちとも互角以上に戦えていますね。

 −−編集者として作品を担当して、今だから笑えるけれど当時は大変だった……、もしくはクスッとしたナイショのエピソードを教えてください?

 草場先生がおまけマンガのエピソードにも書いていますが、本田選手とプライベートにサッカーをする機会がありました。担当としてはドキドキですよね。本田選手に何かの間違いでけがをさせてしまったりしたらとんでもないことに……というのと、草場先生が転んで腕でも折ったらとんでもないことに……とかいう心配だらけ(笑い)。

 私も実際にピッチに並んで立たせてもらったのですが、その瞬間に本田選手がこっちのせいでけがするなんてことはないなと思いました。やっぱり全然体が違うんですよね。草場先生の方の心配はといいますと、本人が早々に息が上がってギブアップされたので……こちらも問題なしでした(笑い)。

 −−今後の展開は?

 目標としていたワールドカップブラジル大会に突入し、テンションも最高潮!……のはずなんですが予選グループの相手が強豪国ばかりで苦戦してます。優勝どころか予選敗退も濃厚な状況ですから、今後はワールドカップに敗退した後、さらに次のワールドカップを目指すのかどうかという展開でしょうかね……。そうするとみんな30歳オーバーですが(笑い)。もしもこの危機的状況を打破できるとしたら……それはファンタジスタが活躍した時ですよね!!

 −−読者へ一言お願いします。

 今年は現実世界でもワールドカップが開催される年です。「ファンタジスタステラ」では一足先に、ワールドカップで本田圭佑選手が坂本轍平たちと共に戦っています。ぜひ皆さんで彼らを応援して、活躍させてやってください。一昔前ではマンガの中だけの出来事と言われた、世界の強豪と対等以上に戦う日本代表……。いまやマンガの世界に現実が追い付こうとしています。我々は追い付かれないように、その先に待つものを考えて皆さんを驚かせたいですね。マンガでの飛躍が、現実の日本代表の飛躍を予言するようなことになればいいな……なんて思います!!

 少年サンデー編集部 和田裕樹

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