久多良木健:プレステ生みの親が生涯功労賞 “ゲームのアカデミー賞”で

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 ソニーコンピュータ・エンタテインメント(SCE)のゲーム機「プレイステーション(PS)」の生みの親で、ソニー元副社長の久多良木健さんが、“ゲームのアカデミー賞”といわれる「ゲーム・デベロッパーズ・チョイス・アワード」で、生涯功労賞に選出された。同賞は世界最大のゲーム開発者会議「ゲーム・ディベロッパーズ・カンファレンス」で発表されるもので、日本人は中裕司さん、故・横井軍平さん、宮本茂さん、小島秀夫さんに続いて5人目となる。

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 米サンフランシスコで19日(米国時間)に開催された授賞式に出席した久多良木さんは「初代プレイステーションの開発が始まった1990年代初頭は、20世紀のうちにゲーム機で3Dグラフィックスが扱える時代が来ると誰も想像していなかった。3Dゲームを開発した経験のあるクリエーターもほとんど存在せず、ゲーム機を作っても誰がゲームを開発してくれるのか不安だった。それが世界中のゲームクリエーターが参加してくれて、素晴らしい作品が数多く発売された」と当時を振り返った。

 プレゼンターはアクションゲーム「クラッシュ・バンディクー」などの開発で知られ、PS4の開発にもかかわったゲームクリエーターのマーク・サーニーさんが担当した。サーニーさんは第4回の生涯功労賞を受賞しており、久多良木さんは、ゲーム機開発のバトンを受け取った側からの賞を受け取った。

 また作品部門では、米国のゲーム会社「ノーティドッグ」が手掛けたPS3用ソフト「The Last Of Us」(ソニー・コンピュータエンタテインメント、SCE)が大賞にあたる「ゲーム・オブ・ザ・イヤー」を受賞、部門賞を含めて“3冠”に輝いた。日本企業の開発したゲームでは、任天堂の「ゼルダの伝説 神々のトライフォース2」(3DS)が、08年に受賞した「ゼルダの伝説 夢幻の砂時計」以来6年ぶりに「ハンドヘルド・モバイルゲーム部門」で部門賞を受賞した。

 ◇受賞作は以下の通り。

 ゲーム・オブ・ザ・イヤー「The Last of Us」▽オーディエンス部門「Kerbal Space Program」▽イノベーション部門「Papers,Please」▽オーディオ部門「バイオショック インフィニット」▽デビュースタジオ部門「The Fullbright Company」▽ゲームデザイン部門「The Last of Us」▽ダウンロード部門「Papers,Please」▽ナラティブ部門「The Last Of Us」▽ハンドヘルド・モバイルゲーム部門「ゼルダの伝説 神々のトライフォース2」▽テクノロジー部門「グランド・セフト・オート5 」▽ビジュアルアーツ部門「バイオショック インフィニット」▽パイオニア賞 Brandon Beck&Marc Merrill▽アンバサダー賞 Anita Sarkeesian▽生涯功労賞 久多良木健

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