人気特撮作品シリーズの劇場版最新作「平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦feat.スーパー戦隊」(柴崎貴行監督)が公開中だ。今作は、放送中の「仮面ライダー 鎧武」をはじめとする15人の平成ライダーと、仮面ライダー1号をはじめとする15人の昭和ライダーの“おきて破りのライダー対決”が展開する。勝負の行方を投票によって決定するファン参加企画が行われたことでも話題だ。初代ライダー・本郷猛役の藤岡弘、さんが38年ぶりに変身姿を披露するほか、仮面ライダーX・神敬介を演じた速水亮さんや、映画オリジナルの「仮面ライダーフィフティーン」に変身する葵連役でお笑いタレントの板尾創路さんらが出演している。
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地球の内側にあるというもう一つの世界の調査に向かった葛葉紘汰=仮面ライダー鎧武(佐野岳さん)は、バダン帝国の怪人に追われる不思議な力を持つシュウという少年と出会う。さらに“本郷猛”と名乗る男(藤岡さん)が現れ、仮面ライダー1号に変身。怪人をけ散らした本郷は、紘汰に「お前のようなひよっこを、ライダーと認めるわけにはいかん!」と言い放つ。バダン帝国の正体、シュウが追われる理由、そして1号をはじめとした昭和ライダーの目的など、困惑する紘汰は門矢士=仮面ライダーディケイド(井上正大さん)と合流し、平成ライダーを結集に動く。謎の戦士・仮面ライダーフィフティーン(板尾さん)も登場し、昭和ライダーと平成ライダーがついに拳を交える……という展開。
特撮作品の劇場版ではこれまで数多くの“VSもの”が製作されてきたが、今作ではついに本当の意味での激突が描かれている。単純に昭和と平成を対決させただけでなく、なぜ対決しなければならなかったのかという理由を、数々の謎がちりばめられたストーリーと融合させうまくまとめ上げた。昭和ライダー15人と平成ライダー15人が集結した姿は壮観で、多くの注目点はあるが、やはり今作は本郷猛役の藤岡さんに尽きる。藤岡さんの本郷がいなければ今作のようなライダー同士の激突という展開に納得がいかなかっただろう。個人的には「仮面ライダーBLACK」と「仮面ライダーBLACK RX」が並び立つ姿に設定的な違和感は感じつつも興奮。フィフティーン役の板尾さんの好演も光り、大人でも十分に感情移入できる。ライダーたちが戦う理由とその結末はぜひスクリーンで確認してほしい。新宿バルト9(東京都新宿区)ほか全国で公開中。(遠藤政樹/フリーライター)
<プロフィル>
えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。
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