真飛聖:吉岡秀隆と三浦友和に男気 「男役時代に会いたかった」

自信が出演するドラマ「トクソウ」について語った真飛聖さん
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自信が出演するドラマ「トクソウ」について語った真飛聖さん

 宝塚歌劇団の元男役トップスターで女優の真飛聖(まとぶ・せい)さんが出演する連続ドラマ「トクソウ」(WOWOW)が、11日にスタートする。今作で初の新聞記者役を演じ、男社会の中で紅一点、スクープを求めて特捜部に取材攻勢を仕掛ける役柄に「シビアな世界で切磋琢磨(せっさたくま)する姿は、宝塚でスターを夢見てトップを目指してきた自分と重なるものがある」と語る真飛さんに、役作りや共演者の印象、作品の見どころを聞いた。

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 ドラマは、ロッキード事件、リクルート事件など大規模な汚職事件を摘発し、世界にも類がないほど権力が集中する組織といわれている捜査機関「特捜検察」の知られざる実態を描く社会派サスペンス。真飛さん演じる毎朝新聞の社会部記者・桜井智子の元恋人で取材対象となる特捜部の検事・織田俊哉を吉岡秀隆さん、その上司で特捜部のエース・鬼塚剛を三浦友和さんが演じる。

 真飛さんは、演じた智子について「芯が強くて正義感のある女性」といい、「男社会でスクープをとるために切磋琢磨していく姿は、約20年間、宝塚でスターを夢見てトップを目指してきた自分に重なるものがある。また、シビアな世界で何かを勝ち取るために努力することは、すごくたたえられることもあるし、ちょっとした失敗でだめになることもある。まったく違うジャンルの職業ではあるけれど、そういった面で同じ感覚もある」と共感したようだ。

 一方で、智子は「繊細でもろい部分がある」と語る。「本来は違うんだけど、男社会の中で生き残るために強くなった女性。だから、元恋人の織田の前では弱い部分や女性らしい面が出てくる」と複雑な女心を分析。その点、役作りについては「これまで男役として強い人物像を演じることが多かったので、信念を持ちながらも女性らしさが垣間見える役柄を演じる“さじ加減”が難しかった。でも、いろんな記者の方がいるので、こうあるべきだと変に限定せずに、共演者の方々の演技に合わせて智子を演じた」と苦労を明かした。

 おもな共演者に、演技派で知られる吉岡さんと三浦さんが顔をそろえた。吉岡さんの印象を「とても穏やかで寡黙なイメージがあったんですが、実際は気さくでひょうきんな一面のある方」と表現し、三浦さんについては「オーラと色気がすごかった。役としては、特捜部のエースとしての風格に、歩いてくるだけで『参りました!』という感じでした」と圧倒されたという。

 そして、2人に共通して「役を演じていても、力が抜けていて余計なものがないナチュラルさを感じた」といい、「普通にしていることが一番難しいんですが、フラットに役柄としてそこに存在していることにお二人の大きさを感じましたし、大げさな芝居ではなく、目の動き一つで感情を伝える演じ方にもすごみがありました」と尊敬の念を寄せる。さらに、他の共演者も含めて「今回、登場した俳優の方、みなさんに男の大きさを感じました。男役時代にお会いしていたら、もっと自分も魅力的に役を演じられたのに、と思うほどでした」と刺激を受けることが多かったと振り返る。

 そんな名優たちと作り上げたドラマの魅力については「これまで表立っていなかった特捜部のリアルな姿が描かれているので、ドラマを通してその実態や人間関係を知ることができるし、物語のサスペンスも楽しむことができる。また、私が演じる智子については、その中で葛藤しながら思いを貫く記者がいるということを身近に感じていただけたら」と見どころをアピールした。

 次回は、真飛さんの休日の過ごし方や、男役トップスターが描く理想の男性像を聞く。

 <プロフィル>

 1976年10月13日生まれ。神奈川県出身。95年に宝塚歌劇団で初舞台を踏み、2007年花組トップスターに就任。11年4月に退団後、12年4月に「37歳で医者になった僕」(フジテレビ系)でドラマデビュー。その後、12年10月からは大人気ドラマ「相棒」(テレビ朝日系)にレギュラー出演しているほか、13年にはミュージカル「マイ・フェア・レディ」に主演。5月11日からスタートする連続ドラマW「トクソウ」は、WOWOWプライムで毎週日曜午後10時に放送。全5話。 

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