注目映画紹介:「そらのおとしものFinal 永遠の私の鳥籠」 人気アニメ劇場版第2作で完結編

「そらのおとしものFinal 永遠の私の鳥籠」のキービジュアル (C)2014 水無月すう/KADOKAWA 角川書店刊/空美町パートナーズ
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「そらのおとしものFinal 永遠の私の鳥籠」のキービジュアル (C)2014 水無月すう/KADOKAWA 角川書店刊/空美町パートナーズ

 水無月すうさんのマンガが原作で、2度にわたってテレビアニメ化された「そらのおとしもの」の劇場版アニメ完結編「そらのおとしものFinal 永遠の私の鳥籠(エターナルマイマスター)」(斎藤久監督)が公開中だ。「そらのおとしもの」は、2007年から「月刊少年エース」(KADOKAWA)で連載が始まり、今年1月に発売された同誌3月号で約7年の歴史に幕を下ろした。コミックスは20巻まで発売されている。空美町に住む主人公・桜井智樹が空から降りて下りてきた翼のある少女・イカロスと出会い、町上空にある謎の大陸の陰謀に巻き込まれていくという物語とともに、ギャグやお色気シーンなどが人気を集めた。劇場版ではイカロスの真実が原作の最終話とリンクしながら完全新作で描かれる。

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 空から落下してきた未確認生物イカロス(声・早見沙織さん)は、空美町で「平和が一番」がモットーの少年・桜井智樹(声・保志総一朗さん)と共に生活していたが、智樹はイカロスの笑顔を見たことがなかった。イカロスと同じく空にある新大陸・シナプスからやって来たニンフ(声・野水伊織さん)やアストレア(声・福原香織さん)がシナプスの“マスター”から解放され、自由に笑っている姿を見た智樹は、イカロスにも普通の女の子として笑ってほしいと考えるようになり……というストーリー。

 作画や演出、音楽といずれもハイレベルな上に声優たちの演技も秀逸で、シリアスなシーンだけでなく、同作の魅力であるギャグやお色気も満載で、静と動のメリハリが楽しめる。キャストの中でもとりわけイカロス役の早見さんの演技はキャラの感情を見事に表現。完成度が高い作品なだけに、上映時間の短さもあってか、やや消化不良な面は否めないが、とはいえ無理にさまざまな要素を詰め込もうとして冗長になるよりは、割り切っていて潔い。原作の最終話とリンクしている部分があるため、少なくとも原作の19巻と20巻を読んでからの鑑賞をお勧めしたい。角川シネマ新宿(東京都新宿区)ほか全国で公開中。(遠藤政樹/フリーライター)

 <プロフィル>

 えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽、ゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。

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