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須賀健太:「スイートプールサイド」で新境地 「すごく見てほしいけど見てほしくない…」

テレビ

 「悪の華」などで知られる押見修造さんの同名マンガを実写映画化した「スイートプールサイド」が公開中だ。映画は、高校の水泳部を舞台に、毛が生えてこないという悩みを抱える少年が自分とは反対に毛深くて悩む少女と出会い、“剃毛(ていもう)”を頼まれたことをきっかけに始まる奇妙な関係が描かる。「アフロ田中」(2012年)などの松居大悟監督がメガホンをとり、毛がない高校生・太田年彦役を須賀健太さん、ヒロインの後藤綾子役を刈谷友衣子が演じる。異色の青春映画で、天才子役として名高いこれまでのイメージを覆すような演技をしている須賀さんに、出演にあたっての覚悟や役作りなどについて聞いた。

 ◇新しい自分を見せたい

 マンガを基に思春期特有の毛の悩みを抱える少年少女を描いた今作に出演が決まった時のことを、須賀さんは「すごい話がきたなという驚きを鮮明に覚えている」と話す。衝撃とともに「すぐにやりたい」と感じたといい、「今までの自分が出てきた作品にはない、違う輝きのような魅力がある作品だなと思ったので、強くやりたいなと思いました」と作品に魅了され、出演を即決したことを明かす。

 作品に持つ世界観に強く心を引かれたという須賀さんは「原作も読ませていただいて、原作のイメージや原作が持つ面白さみたいなのものに引かれました」といい、「言葉で表すのが難しいよさというか、本当に雰囲気がいい。この雰囲気を映画でも出したいなという思いがありました」と今作への思いを熱く語る。

 須賀さんはこれまで02年に放送された「人にやさしく」(フジテレビ系)で注目を浴び、以降は映画「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズなど数多くの作品に出演してきた。今作での演技は今までとはテイストを変えている。「新しい感覚や印象を持ってもらえるのではというのが大きかったし、最初にお話をいただいたときに『そうしたい』とすごく思った」と須賀さんは語る。「今までのいい子みたいなイメージじゃない自分を見せたかった。時期的にもそういう気持ちが強いときに今回のお話をいただき、もっと新しい自分を見せたいと強く思い、これしかないと思いました」と覚悟を決めたという。

 あまりにもイメージが違いすぎる演技を見せることに抵抗はなかったかと聞くと、「今までのファンの人は多分引いたりする人もいるとは思いますが、それはそれでいいなと思います」ときっぱり。そして、「十人十色というか、今作を見て同じように感じる人はいないだろうし、いろんな感覚を持ってもらうのが正解だと思う。そうしてほしい」と持論を展開。「ファンの人には見たときの感覚がどうだったのかを教えてほしい。いろんな人の感想を聞きたい」と笑顔を見せる。

 ◇年彦役を流されるままに演じた

 今作を「新しい青春映画」と評す須賀さんは、毛が生えないことに苦悩する高校生・年彦を演じた。「キャラクターたちは普通に暮らしているだけなのに、はたから見たら面白くて刺激的」という部分を作品のよさと考えるも、「台本を読んでみると演じるのが難しかった」と率直な気持ちを明かす。「客観的に台本を読んでいるときはすごく面白いのですが、太田を演じると思って読むと、言葉の言い回しだったり感情を乗せるのが難しい」と役作りの苦労を明かし、「力不足を感じた部分で、これまでの僕の中にはない引き出しを要求されました」と振り返る。

 役作りに試行錯誤を繰り返す須賀さんに対し、松居監督からは「太田としてただ生きてほしい。そこに太田としてただいてくれればいい。せりふも変えてもいいし、芝居をしてほしいわけではなく、ただ太田になってほしい」という言葉をかけられたという。松居監督の言葉を聞き、須賀さんは「とらわれすぎていたのかなというのはあります」と振り返り、「自分の中にこの作品をやれば何か変わるという気持ちがあって、すごくやりたいと思っていたので、自分の中である意味かたくなになっていた部分もあったのを監督が壊してくれました」と感謝する。

 年彦を演じていく上で「流されるままだった」と笑う須賀さんは、「監督自身の狙いでもあったのですが、僕には細かく指示をせず周りの人に(指示を)して雰囲気作りをしてくださったので、僕はそこにいて起きたことを感じるだけでよかった」という。「そういう演出のされ方は初めてだったので戸惑う部分も多かったのですが、だからこその結果が画面にもしっかり出ていた」と心境を語る。「結果オーライかもしれませんが(笑い)、一生懸命生きているというのを出せたらいいと思っていたのでよかったなと思います」と手応えを感じたようだ。

 ◇すごく見てほしいけど見てほしくない

 須賀さんは印象に残っている場面としてクライマックスシーンを挙げ、「台本を読んだときからすごいオーラというかシーンの力は感じていた。監督は客観的に見るより自分も世界に入っていく方なので、最後のシーンのときはもう撮影中、引きずり回されていました」とエピソードを披露。「(監督が)すごい(作品に)入っていて僕もボロボロになっていたから、ただされるがままになっていました。最後のシーンはそれまでの過程があってこそああいうふうになったと思います」と表現する。そして「少なからず女性に対する気持ちというかムラムラみたいなのは誰もが感じたことがある部分だと思うし、ここは一番の見どころで誰が見ても納得する部分はある。そういう部分に関する説得力はこの映画がすごいと思います」と自信をのぞかせる。

 ちなみに、年彦と同じように「毛をそってくれ」と相談をされたらどうするか? 須賀さんは「びっくりしますよね」と笑いながらも、「お願いされたらそるのかな……でも確実に(相手に)好きになると思います」と断言する。年彦の気持ちは分かるし、(相手が)自分にないものを持っているというのはすごく大きかったと思う。しかもそれを知っているのは自分だけで、それを見たら引かれていく部分はあると思うし、(今作は)それがただ毛だったということなんじゃないかなと思います(笑い)」と冗談交じりに話す。

 今作で新たな姿を見せているが、今後挑戦したい役どころを聞くと、「悪役」と答えた。「またそれも一つ飛び抜けたというか飛び出た役をやりたい。最後まで(善に)寝返らない悪をやりたいです」と意欲を見せる。今作について「すごく見てほしいけど見てほしくない映画は初めて」といい、「できるだけ多くの人に見てほしいという気持ちは今まで一番強くて、でも自分の恥ずかしい部分を見られている感覚もある。ポスターをはじめビジュアルは結構過激なので敬遠している方もいるかもしれませんが、内容は全然そんなことはないので、ぜひスクリーンで見ていただいて、いろいろと感じていただければいいなと思います」とメッセージを送った。映画は新宿ピカデリー(東京都新宿区)ほか全国で公開中。

 <プロフィル>

 1994年10月19日生まれ、東京都出身。99年に子役でデビューし、2002年に「人にやさしく」(フジテレビ系)で脚光を浴びる。以降、映画「ALWAYS 三丁目の夕日」3部作や「釣りキチ三平」などのヒット作や話題作に出演。5日には出演した映画「青鬼」の公開を控える。

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