米アカデミー賞で長編アニメーション賞と主題歌賞にノミネートされた「ベルビル・ランデブー」(2003年)で知られる仏アニメーション作家シルバン・ショメ監督が手掛けた実写初長編作「ぼくを探しに」が8月2日から公開される。仏の文豪マルセル・プルーストの「失われた時を求めて」のエッセンスを物語に加えながら、孤独な男性が不思議なマダムと出会うことで、人生を変えていく姿を描いた。主人公を演じているのは、今作で2作目の映画主演となるギョーム・グイさん。ヌーベルバーグを代表する女優、ベルナデッド・ラフォンさんの遺作となった。
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ポール(グイさん)は2歳のころ両親を亡くし、ショックで言葉を話すことができなくなった。2人のおばさん(ラフォンさん、エレーヌ・バンサンさん)にピアニストになるようにと育てられ、誕生日を祝いに来るのも、おばさんたちの知人ばかり。ポールには友だちもいなかった。ある日、同じアパートに住むマダム・プルースト(アンヌ・ル・ニさん)と出会い、彼女の入れたハーブティーを飲んだポールに、幼いころの両親との記憶が、ありありとよみがえってくる。以来、おばさんたちに内緒でマダム・プルーストの部屋を訪れていた。そして、固く閉ざされたポールの心に少しずつ変化が表れる……というストーリー。
ポールの世界は、おいしそうなシューケットやアンティークで可愛いインテリアのある小さなアパルトマンの中で完結している。そして、どこかいびつで息苦しい。ここは完全におばさんたちの世界で、彼女たちは、何かわだかまりをかき消すかのように不自然に明るい。対して、ポールが迷い込んだマダム・プルーストの部屋は植物でいっぱいでヒーリング効果がありそうだ。ポップでカラフルな映像で語られる両親との思い出は、海辺の巨大なソフトクリームといった幸せなものから、目を覆いたくなるようなつらいものまである。この毒気が、ショメ流だ。赤ちゃんの目線での映像は、観客の記憶の奥深いところと呼応しそうだ。しかし過去の記憶は、必ずしも真実であるとは限らない。心理学者のアルフレッド・アドラーさんは「トラウマなどない」と説いている。現在を過去にひもづけする必要はない、と。人には未来を考える自由が与えられている。もちろん、ポールにもだ。後半、彼が自ら行動を起こしていくさまがとてもまぶしく映る。8月2日からシネマライズ(東京都渋谷区)ほか全国で公開。(キョーコ/フリーライター)
<プロフィル>
キョーコ=出版社・新聞社勤務後、闘病をきっかけに、単館映画館通いの20代を思い出して、映画を見まくろうと決心。映画紹介や人物インタビューを中心にライターとして活動中。趣味は散歩と街猫をなでること。
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