吉永小百合:仏語スピーチ成功の裏側明かす 「毎日写経みたいに……」

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 女優の吉永小百合さんと俳優の阿部寛さんが、カナダで開催中の第38回モントリオール世界映画祭にコンペティション部門で出品している映画「ふしぎな岬の物語」(成島出監督)の公式上映を終え、30日(現地時間)に公式コメントを発表した。吉永さんは「ほっとしております。モントリオールという所はとても温かい」と現地の観客に感謝しつつ、舞台あいさつで約1分半にわたって披露した仏語でのスピーチについて、成功の裏側も明らかにした。

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 吉永さんは話題となった仏語でのスピーチについて、7月末に自身のあいさつを翻訳してもらったと明かし、「こういうことも言ったほうがいいかなとちょっと付け加えたりしたら結構長くなってしまった」と説明。さらに、「何度か(仏語の)レッスンしていただいて、その中で『写経みたいに字を書きなさい。そうすると忘れないから』ということで、毎日“写フランス語”をしました。そのおかげで忘れずに済みました」と舞台裏を明かした。

 また、公式上映について、吉永さんは「映画自体を受け止めていただいたと思っています。すごい事件が起きたりという物語ではないですが、人と人が手を取り合って明日に向かって生きていくという思いを伝えることができたと思っています」と手ごたえを語り、コンペティションの結果については「いただければそれに越したことはないですが、阿部さんと二人でここまで来て、上映会でも精いっぱい気持ちを伝えたので結果はもうどういう形でも仕方がないと思っています」と控えめに語った。

 一方、18年前にも同映画祭に参加したという阿部さんは「凱旋したような気がしてうれしいです」とコメント。「一番この映画が伝えたい部分もきちんと理解してくださいましたし、終わった後に的確な質問をくださいました。すごくよく見てくれていたので、改めてこの作品の良さを自分たちが発見することもできました」と振り返った。

 映画は、森沢明夫さんの小説「虹の岬の喫茶店」(幻冬舎文庫)が原作で、千葉県の明鐘岬に実在した喫茶店を舞台に、女性店主と人々の交流を描く。吉永さんと成島監督との共同企画として発足し、吉永さんは主演のほか、プロデューサーとして映画に携わっている。喫茶店の女性店主・悦子を吉永さん、悦子を献身的に守り続けるおい・浩司を阿部さん、突然里に戻ってきた常連客の娘・みどりを竹内結子さんが演じる。10月11日公開。

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