WOWOWは10月から毎週土曜午後1時に「WOWOWオリジナルドキュメンタリー」枠を設け、「ノンフィクションW」と「国際共同制作プロジェクト」の2番組を両輪に、国内外のさまざまなテーマを扱ったオリジナルのドキュメンタリー番組を放送する。11月29日に放送される「ノンフィクションW ディエゴ・フォルラン 日本へ伝える魂~スーパースターに託された夢~」を担当したWOWOWの制作局スポーツ部の仁藤慶彦プロデューサーに、番組の魅力を聞いた。
ウナギノボリ
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−−番組の概要と魅力は?
10年以上大物不在だったJリーグに、ワールドカップ(W杯)の得点王のフォルランがやってきました。番組では、Jリーグがなぜフォルラン獲得に動いたのか、関係者の証言から舞台裏に迫ります。また、約8カ月間、フォルラン本人に密着取材。フォルランの母国ウルグアイ・ロケも行い、彼のメンタルの強さを分析していきます。フォルラン獲得を実現させた人々と、Jリーグで闘う本人、そしてセレッソ大阪。一人のスーパースターに懸けた人々の夢と、その夢を背負った男の戦いを追いました。
−−今回のテーマを取り上げたきっかけと理由は?
1993年、Jリーグは華やかに開幕しました。ジーコ、リトバルスキー、リネカーなど、多数の世界的スーパースターが日本中を魅了しました。あれから20年、地上波の放送がなくなり、入場者数も激減。有能選手は次々と海外へ渡り、いつしかJリーグは“大物選手不在のリーグ”と化していました。だからこそ、今年のセレッソ大阪のフォルラン入団は、大きな出来事でした。フォルランはWOWOWが放送する世界最高峰リーガ・エスパニョーラで、二度の得点王に輝いた本物中の本物です。リーガのスター選手がJリーグに何をもたらしてくれるのか。それをひも解きたいと思い、番組の企画書を作成しました。
−−制作中、一番に心掛けたことは?
「リオネル・メッシ」「クリスティアーノ・ロナウド」「バスク」「モウリーニョ」「フットボールの守り神(GK)」「闘莉王」など、今までいくつかのサッカードキュメンタリーを制作してきました。すべてに共通しているのは、「サッカーファンを満足させつつ、ドキュメンタリーとしての見応え」に応えること、でした。多くの選択肢がある中で、この番組を選んで見ていただいた視聴者に、「番組を見る前と見たあとで“何か”が変わった」と感じていただけるよう、メッセージを込めたいと思っています。
−−番組を作る上でうれしかったこと、逆に大変だったエピソードは?
ドキュメンタリーというジャンルは、映画やドラマと違って“Non−Fiction(ノンフィクション)”であり、作り手の思い通りに事は進みません。もちろん、2014年3月にこの番組を企画した時点で、セレッソ大阪が残留争いを戦うことや、フォルランがベンチを温める姿など、想像もしていませんでした。しかし、それが現実であり、ドキュメンタリーなのだと思います。このような状況の中でも、プロとして我々の約束通り取材に応じてくれたフォルラン、そしてセレッソ大阪広報部の皆様には、感謝の言葉しかありません。
−−番組の見どころを教えてください。
ドキュメンタリーは、文字通り被写体のありのままを映し出します。だからこそ被写体の選定が最も重要だと考えています。その意味で、フォルランという一人の人間は、あまりにも魅力的でした。彼は天才ではありません。献身と努力の結晶で、W杯得点王という極地にまでたどり着きました。人口わずか300万人、南米の小さな国ウルグアイから誕生した世界最高峰FWが語る、ストライカーの在り方、そのメンタル、そして日本サッカーの未来。ぜひ感じ取ってください。
WOWOW 制作局スポーツ部 プロデューサー 仁藤慶彦
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