ゴジラが日本に帰ってくる−−。誕生から60周年を記念して「ゴジラ」の製作・配給を担当する東宝は「ゴジラ戦略会議(ゴジコン)」を設立。2016年公開の日本版新作の製作と、東京・新宿に高さ12メートルの実物大「ゴジラヘッド」を設置し、15年4月にお披露目することが8日、明らかになった。
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1954年に産声を上げた怪獣「ゴジラ」。60周年となる今年はハリウッド版「GODZILLA」が世界63の国と地域で公開され、興行収入570億円以上を記録した(日本国内の興収は32億円)。この「GODZILLA」の公開(全米公開の2014年5月16日)をもって「同一の会社による最も長いフランチャイズ映画(長編)」としてギネス世界記録に認定された(フランチャイズ映画とはキャラクターや世界観の権利を持ち、その使用権許諾を得て製作された映画)。
東宝の千田諭・代表取締役副社長をゼネラルマネジャーに、同社の12人の委員で構成されている「ゴジコン」は、16年の公開を目指して完全新作の日本版「ゴジラ」の製作を発表した。製作は来年夏以降に開始する予定で、スタッフや脚本は現在審査中だという。公開されれば、2004年公開の「ゴジラ FINAL WARS」以来、12年ぶりの日本版新作となる。製作を決めたのは、ハリウッド版「GODZILLA」の成功を見届けた今年の夏頃で、「日本の技術も追いついたのでは。ノウハウを結集させてハリウッドに負けない新作ができると確信できた」ことがきっかけという。同社では「日本人に愛されるような作品を作る。大人も子供も楽しめる、エンターテインメントの固まりのような作品を目指す」としている。
また、建設中の新宿・歌舞伎町の新宿東宝ビル8階に高さ12メートルの実物大ゴジラの頭部をかたどった「ゴジラヘッド」を設置、15年4月中旬にお披露目することも発表された。同ビルは3~6階に全12スクリーン2500席のシネコン「TOHOシネマズ新宿」が、8~30階は全970室の「ホテル グレイスリー新宿」(藤田観光)が入る予定。ゴジラヘッドはホテルのロビー階に設置され、一般客が見物することも可能となる。
「ゴジラヘッド」の造形は、シリーズ中最高の興収22億2000万円を記録した92年の「ゴジラVSモスラ」のゴジラの頭部を模しており、「東宝映像美術」特撮班の流れをくんだスタッフが製作を担当した。ゴジラヘッドを設置する場所はビル8階(高さ40メートル)で頭部は高さ12メートルのため、1作目の身長約50メートルのゴジラが現代の新宿に出現したら……という場面をイメージして実物大として作られる。
JNTO(日本政府観光局)によると訪日外国人観光客の「都市・観光地別訪問率」で新宿が34.8%で第1位となり、新宿駅は1日の乗客数が364万人と世界で最も利用客数の多い駅とされる。同社では、「世界一多くの人が集まり、日本を訪れる外国人観光客数も最も多い新宿エリアにゴジラヘッドが新たなランドマークになることを目指す」と話している。
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