M-1グランプリ2024 決勝戦
決勝戦 FIRST ROUND 前半戦 1~5組目
12月22日(日)放送分
俳優の杉良太郎さんが14年ぶりに時代劇のドラマで主演を務める「医師 問題無ノ介」が、スマートフォン向け動画配信サービス「dビデオpowered by BeeTV(dビデオ)」で20日から配信が始まった。今作は、杉さん自身が原作・脚本・主題歌なども手がけ、病気だけでなく町人のトラブルも解決する人情深い町医者・問題無ノ介(杉さん)が、恋人・おまる(松本若菜さん)と藩のお家騒動を解決するため奔走する姿を描いている。無ノ介の敵役である闇の刺客・闇埜一刀斎(やみの・いっとうさい)として、EXILEや「三代目 J Soul Brothers」として活動するNAOKIこと小林直己さんが、ドラマ初出演にして時代劇に初挑戦している。小林さんにドラマ初出演の心境や主演の杉さんの印象、時代劇について聞いた。
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舞台出演の経験はあるが、ドラマ出演は今作が初めてとなる小林さんは「(ドラマは)ずっと挑戦してみたかった」と念願の出演だったことを明かした。「カット割りだったりカメラアングルだったり、見られ方が限定されるという意味では戸惑った部分もあった」と舞台との違いに不安もあったという。しかし、「今までの舞台の経験や、杉さんの演技塾に1年ほど前から通わせていただいて、立ち回りから歩き方に至るまでいろいろなことを学ばせていただいた」ことが、「現場でも(杉さんから)ご指導を受け、自分的にはしっかりと挑戦することができたかなと思う」と自信につながった。
初めてのドラマが時代劇だったが、「時代劇にはずっと興味があった」という。「時代劇というと敷居が高いイメージがありましたが、黒澤明監督の作品などで触れていくうちに、衣装や街、言葉など(今とは)ちょっと違うけれど、恋愛の話やあだ討ちなど僕らでも共感できる話が多くあった」と小林さん。さらに、「刀を抜いたら必ずどちらかが死んでしまう……という真剣勝負の世界で、抜く覚悟や逆に絶対に抜かない覚悟というのは、(自分が)男だからか現代を生きるているからなのか分からないが、カッコいいなと思った」と時代劇の魅力を力強く語る。
今作への出演が決まる前、主演の杉さんとは事務所社長のHIROさんの紹介がきっかけで知り合ったことを明かし、「杉さんは今年で芸能活動50周年なのですが、福祉活動も55周年で、デビュー前から刑務所などに慰問されている。自分が日本のために何ができるのかという生き方や正々堂々とした精神など、ある意味、武士だったり日本人の精神性につながる部分を体現されている方」と印象を語り、「とても影響を受けました。今回、作品に参加させていただいて、とても光栄ですし、うれしかった」と感謝の言葉を述べた。
杉さんの演技塾と今作の現場で杉さんと接してみて、「(会う前とはイメージが)まったく変わった。ぜひ、みなさんも杉さんとお話ししてほしい」と言い、「(杉さんは)本当に表現することが大好きで、誰がなんと言おうとどれだけ時間がかかろうと、負けずにこだわる部分というのが絶対にある」と杉さんの仕事に対する心構えに共感したという。「 “あの杉良太郎さん”だったのが、ご自分が汗をかいたりしていろんなことをされているところを見て、大変失礼ですが、すごく身近に感じたというか、手の届く距離に杉さんはいらっしゃるんだな、と」と感銘を受けたことを告白。そして、「自分ももし50年、努力し続ければ、杉さんのような人になれるかもしれない。でもそのためにはもう本当に努力や鍛錬を積み重ねないといけないなと思った」としみじみ。「本当にカッコいいと憧れの人になったので、現場は本当に楽しかった。毎日興奮していた」と充実した日々を過ごした。
小林さんは自身が演じる一刀斎を「『痛快!時代劇エンターテインメント』(と銘打っている)だからこそ、悪は悪でちゃんと成り立っておかないと作品が緩くなっていってしまうので、そういう意味ではぶれないのは大切だと思った」と役柄を表現、「無ノ介が一目置くぐらいの達人でなければいけなかったので、刀の扱い方や所作、言葉などはすごく意識した」と役作りを語る。演じるのに演技塾での経験が生きたそうで、「実際に現場に入って(杉さんと)対峙(たいじ)する場面で、真剣での命のやり取りだと考えたら、本当にそのトーンになるんだというのが自分の中で腑(ふ)に落ちた」と時代劇特有の空気感を実感したといい、「発見だったし、学ぶことしかない現場だった」と強調する。
脚本の段階から杉さんとコミュニケーションを取る機会があったといい、「『痛快!時代劇エンターテインメント』に至った理由など、すごくなるほどなと思った」と話す。続けて、「時代劇はどこか構えちゃう部分があると思うけれど、お笑いあり、お色気ありで、その中にちょっと『今のせりふ、(今の時代でも)なんか分かるな』みたいなところもあって、取っつきやすいというのは大切なポイントだと思う」と持論を展開する。「EXILEや三代目~のNAOKIが出ているということで、逆に面白がってくれたらうれしい」と熱く語る。
今作への出演についてEXILEのメンバーなど周囲の反応を聞くと、「時代劇に挑戦したいことは前々から話していたので、『やったね!』『おめでとう』とか、『逆にここからだね』みたいなことを言ってもらった」と喜び、社長のHIROさんからは「『すごいね! やばいね!』と」大笑いで祝福されたという。それというのも小林さんは、「まだ今作の話もない時だったが、今年の元日に新年一発目で気合を入れていこうとけいこ用の着物を着て、杉さんに作っていただいた(撮影で使う)ジュラ(刀)を振っていた」姿を、スタジオを訪れたHIROさんが目撃し大笑いされたという事実を明かし、「そういうことがあって、今作出演の話をHIROさんに伝えたら、まさか杉さんとドラマをというのはHIROさんも想像していなかったみたいで、さらに大笑いでした」と理由を説明した。
ちなみに、元日にトレーニングしていた理由は、「EXILEメンバーは正月(元日)にトレーニングをするとその1年にいいことがあるみたいなジンクスがある。だから1月1日によくトレーニングに来る」と明かした。
パフォーマーとしての活動とドラマ現場での違いを聞くと、ドラマは「武者修業に近い感じがする」と例え、「自分のホームでもあるグループを大切にしながらも、(1人の現場に)行く時は全力で小林直己という人間として挑戦させてもらえたし、みんながバックアップしてくれた」と感謝する。そして、「逆に、グループを一人でも盛り上げられるような人間になっていきたい」と力強く宣言する。
パフォーマーと演技をする自身の違いについて、「普段からめちゃくちゃカッコいいとかきれいなパフォーマンスより、ちょっと笑ってしまうぐらい意外なパフォーマンスや、ものすごい動きが昔から好き」と切り出し、「そういう意味ですごくアクの強い部分、強烈な部分というのは、僕にとってもしかしたら一つの武器なのかもしれない」と分析。そして、「楽しい娯楽性がある中で、ちょっと離れたところにいる直己というのを楽しんでもらいたいし、時代劇ということで構えずに見てもらえれば引っかかる部分が必ずあると思うので、そこを楽しんでいただけたらうれしい」とアピールする。
幼稚園の時には芝居で主役を演じた経験があるという小林さんに、今後挑戦したい役を聞くと、「もしチャンスをいただけるのだったら、殺人犯とかちょっと常軌を逸したような役にも挑戦したい」と語る。さらに気になる終わり方をする今作の続編は……と投げかけると、「よろしくお願いします!」と笑顔を見せた。なお、杉さんからも「続編を意識した作りをしている」と期待を持たせる発言もあるという。ドラマ「「医師 問題無ノ介」は、dビデオで配信中(dビデオはドコモ以外のユーザーも視聴可能)。全4話。
<プロフィル>
1984年11月10日生まれ、千葉県出身。EXILE、三代目J Soul Brothersのパフォーマーで三代目~のリーダーを務める。EXILEとして、2015年3月25日に「19−Road to AMAZING WORLD−」を発売、秋にはライブツアー「AMAZING WORLD」の開催を発表している。三代目J Soul Brothersとしては15年1月28日にニューアルバム「PLANET SEVEN」を発売。春には初の単独ドームツアー「LIVE TOUR 2015 “BLUE PLANET”」を開催予定。
(インタビュー・文・撮影:遠藤政樹)
2024年12月24日 02:00時点
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