注目映画紹介:「THE NEXT GENERATION パトレイバー 第7章」 名作「パト2」の後日

「THE NEXT GENERATION パトレイバー/第7章」のワンシーン (C)2014 HEADGEAR/「THE NEXT GENERATION −PATLABOR−」製作委員会
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「THE NEXT GENERATION パトレイバー/第7章」のワンシーン (C)2014 HEADGEAR/「THE NEXT GENERATION −PATLABOR−」製作委員会

 「機動警察パトレイバー」シリーズの実写化プロジェクト第7弾「THE NEXT GENERATION パトレイバー 第7章」が10日に公開される。「パトレイバー」は、歩行式の作業機械・レイバーが実用化された近未来を舞台に、レイバー犯罪に立ち向かう警視庁の特科車両二課中隊(特車二課)の活躍や泉野明ら隊員の日常を描いたSF作品。全7章の最後を飾る今作は、1993年に公開された劇場版アニメ「機動警察パトレイバー 2 the Movie」のアフターストーリーとなるエピソード12「大いなる遺産」(押井守監督)と、「シリーズ総集編」で構成されている。アニメシリーズでも人気の高いキャラクター・南雲しのぶが登場するほか、5月に公開予定の長編劇場版「THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦」への布石となる内容も盛り込まれるなど注目を呼んでいる。

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 「エピソード12」は、警視総監が病に倒れ後継者の人事がうわさされる中、無用の長物といわれながらも存続してきた特車二課の解体が現実味を帯びてきた。不穏な空気を察知した特車二課隊長の後藤田継次(筧利夫さん)は、先代隊長が特車二課存続のため警察内部に仕掛けたという“遺産”の調査を開始。そして後藤田は、かつて幻のクーデターを企てて、現在は収監されているある男の存在にたどり着く……という展開。

 昨年4月にスタートした、全7章からなる実写化プロジェクトもついに最終章。押井監督自らがメガホンをとったエピソード12は、シリーズ中で最もシリアスな展開かつハードな内容で、特車二課解体の危機をめぐる深刻なドラマが繰り広げられる。しかもキーパーソンとして、南雲しのぶに加えて、彼女と関係の深い柘植行人も登場するなど、パトレイバーファン垂涎(すいぜん)ものの要素も盛り込まれ、物語を盛り上げる。最終章にふさわしい謎が次々に飛び出し、盛り上がりの連続には息をのむ。また、メリハリの利いたBGMが期待感をあおる。6章までも見どころ満載だったが、シリーズのラストだけあって、その完成度の高さに思わず引き込まれる。長編劇場版へとつながる物語だけに見逃せない。新宿ピカデリー(東京都新宿区)ほか全国で公開。(遠藤政樹/フリーライター)

 <プロフィル>

 えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。

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