話題のアニメの魅力をクリエーターに聞く「アニメ質問状」。今回はフジテレビの深夜アニメ枠「ノイタミナ」で放送中の、オタク高校生が個性的な美少女らと共にゲーム作りに熱中する「冴（さ）えない彼女（ヒロイン）の育てかた」（フジテレビ）です。一番人気のヒロインが登場するという19日深夜の放送を前に、アニプレックスの柏田真一郎プロデューサーに話を聞きました。

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　−−作品の概要と魅力は？

　アニメグッズ購入費用を得るためにアルバイトをしている主人公の高校2年生・安芸倫也（あき・ともや）は、春休みに桜の舞う坂道で出会った少女に触発され、彼女をメインヒロインのモデルにした同人ゲームを制作すると決意します。実は、その少女は、倫也が名前すら知らなかったクラスメイトの加藤恵なんですね。

　その印象が薄い恵をメインヒロインにしたゲームを成立させるために、倫也は幼なじみかつ美術部エースで新鋭の同人イラストレーター、澤村・スペンサー・英梨々（えりり）と、学年1位の優等生で、ライトノベル作家としても活躍している先輩の霞ヶ丘詩羽（かすみがおか・うたは）を同人サークルに誘い、恵の協力に助けられながらも、年末のコミックマーケット参加を目標にゲーム作りの第一歩を踏み出していくという物語です。

　本作の魅力は、丸戸史明さんが生み出すキャラ同士のテンポの良い掛け合いと、深崎暮人さんの魅力的なキャラクター描写にあると思いますが、なんと言っても加藤恵という特異なヒロイン？の存在が本作を魅力的にしていると思っています。

　−−アニメにするときに心がけたことは？

　運良く、原作者の丸戸さんにシナリオの構成から全話の脚本までお願いさせていただくことができ、キャラブレや世界観崩壊の不安がない状況で制作に臨むことができたので、深崎さんが描くキャラクターたちの崇高なフェティシズムを前面に押し出すことを心がけました。ただ、自分は特にその思いを誰にも語ってはいないんですが、映像からにじみ出るフェティシズムを見る限り、亀井幹太監督をはじめとするスタッフ陣も自分と同じ思いだったんだな、と改めて思いました。好評いただいている詩羽の黒ストッキングの処理も、キャラクターデザインの高瀬さんがうまく作画処理してくれました。まさかあの透け具合がアニメで体現できるとは思ってもいませんでしたよ。感謝感謝です！

　−−作品を作る上でうれしかったこと、逆に大変だったことは？

　本編の放送前に、キャラクターソングを発売させていただいたのですが、詩羽、英梨々、恵の作詞、作曲ともに作品内容に沿った素晴らしいものを上げていただきましたので、すべて作品本編内で使用することにしました。

　ただ、当然のことながら本編の演技や間に合わせて曲の尺を調整しなければならない、かつ曲の入れどころに関しても監督と何度も詰め直し、最善の入れどころを模索しました。その結果、音楽制作の方々には、多大なご迷惑をおかけしてしまいました。この場を借りまして、お礼申し上げます。

　ちなみに「#3」で恵のキャラソンを挿入歌として放送してから、恵のキャラソンがそれまでトップを爆走していた詩羽のキャラソンの売り上げを超えました。ただ詩羽と英梨々の出番はこれからなので、巻き返しを期待しています。

　−−今後のみどころを教えてください。

　放送も「#5」を終えましたが、これまで恵の魅力に屈しなかった生粋の詩羽ファンの皆さま、そして恵の魅力にもろくも屈してしまった元詩羽ファンの皆さま、お待たせいたしました。

　ようやく詩羽が本領を発揮する日がやってきました。「#4」「#5」とやるやる詐欺をしてしまいましたが、「詩羽無双」の“最速”放送は19日です！

　この話数だけは、絶対に見逃さないでください。リアルタイムでご覧になられる際でも録画は絶対忘れず、何度も楽しんでもらえるとうれしいです。そして（詩羽役の声優）茅野愛衣さんの名演技にもだえ喜んでください！

　−−ファンへ一言お願いします。

　これまでは、ほぼ「恵無双」の話でしたが、今後は詩羽、英梨々に加え、とある可愛い中学生と倫也の従姉妹（いとこ）、美智留（みちる）にも当番回があります。恵同様、彼女たちのポテンシャルも恐ろしいほど高いので、最終話の「#12」まで飽きることのない、面白い映像をお届けできると思います。当然、恵の見せ場も毎話数用意してありますので、こちらもお楽しみに。皆さま「冴えカノ」の応援、引き続きよろしくお願いいたします。

　アニプレックス　プロデューサー　柏田真一郎