女優の杏さんと俳優の長谷川博己さんが“恋愛不適合者”の男女を演じる“月9”ドラマ「デート~恋とはどんなものかしら~」(フジテレビ系)。杏さん演じる超合理主義者のヒロインと長谷川さん演じる“高等遊民”を自称する“アラフォーニート”という「月9らしからぬ」変わり者同士の恋愛を描いている。同局の成河広明さんは、企画の段階で脚本の古沢良太さんとの間にある“共通認識”があったと明かす。成河さんにドラマの誕生の経緯、杏さん起用の理由などを聞いた。
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ドラマは、杏さん演じる東大大学院卒で“超理系堅物女”の藪下依子と、長谷川博己さんが演じる「高等遊民」を自称する“アラフォーニート”の谷口巧という“恋愛力ゼロ”の男と女のロマンチック・ラブコメディー。毎回、恋愛に不慣れな2人のデートがテンポよく描かれ、古沢脚本特有の会話劇が見どころだ。
放送前から「リーガルハイ」の古沢さんが手がける初の恋愛ドラマということで注目を浴びていた同作だが、作り手の立場から言えば恋愛”を全面に押し出していたわけではないという。成河さんと古沢さんの間にあったのは「『リーガルハイ』は職業ドラマで、事件とか社会の大きなうねりの中の物語だったのに対して、次はささやかな市井(しせい)の人たちの話を作りたいという共通認識」だったという。
しかし「市井の人々」と言っても依子も巧もかなりの“変わり者”。成河さんは「極端な2人だけれど、いるかもしれないなと思わせるリアリティーもある。ごく普通の男女同士の恋愛だと薄味になってしまう。“恋愛不適合者”同士が苦労していく様子が面白い」とドラマの魅力を語る。
ドラマでは突き抜けたコメディエンヌぶりを発揮している杏さんだが、キャスティングの際に注目したのは「内面と外見のギャップ」という。成河さんはヒロイン・依子について「自分自身の立てた計画を忠実に遂行しながら生きている人物。心根は優しいんだけれど、人の気持ちを推し量るのが苦手で優しさの出し方が間違っているだけ」と評し「杏さんは手足が長く伸びやかで憧れの対象として見られている一方で、内面的には真面目さもあって依子のヒロイン像に合うのでは」と思ったという。そして「杏さんは引き出しも多く、努力をされている女優さん。毎回違う姿を見せてくれるような気がするし、次は何をやるんだろうって期待したくなる女優さん」と杏さんの演技の幅を絶賛する。
また、巧については「ニートで“高等遊民”と言ってはばからない、“痛い”し“ヤバい”キャラクター。でも不潔ではないし、洗練された文化教養の人。そんなギャップのある人物を演じられるのが長谷川さん。一種の品の良さがある」と話す。杏さんも長谷川さんも“ギャップ”が起用の決め手になったようだ。
物語も中盤を迎え、いよいよ佳境に差し掛かろうとしている「デート」。成河さんは「依子と巧の可愛らしさと一生懸命さを応援してほしい」と話す。“恋愛不適合者”同士が迎える結末をしっかりと見届けたい。
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