注目映画紹介:「アイドルの涙 DOCUMENTARY of SKE48」 6年の歴史と卒業生のその後

「アイドルの涙 DOCUMENTARY of SKE48」のワンシーン (C)2015「DOCUMENTARY of SKE48」製作委員会
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「アイドルの涙 DOCUMENTARY of SKE48」のワンシーン (C)2015「DOCUMENTARY of SKE48」製作委員会

 アイドルグループ「SKE48」の活動を追った同グループ初のドキュメンタリー映画「アイドルの涙 DOCUMENTARY of SKE48」(石原真監督)が27日に公開される。映画は「AKB48」の初の姉妹グループとして2008年に名古屋で結成された同グループの6年間に密着。オーディションやレッスンの様子など6年間撮影してきた記録映像に、新たに撮影された現役メンバーと卒業生ら40人以上のインタビュー映像を交えて、グループの歴史と舞台裏がひも解かれていく。

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 SKE48は秋元康総合プロデューサーに「ダイヤの原石を見つけた」と言わせた当時11歳の松井珠理奈さんと、歌もダンスも未経験で最後列からのスタートとなった松井玲奈さんという対照的な両エースを軸に一大グループへと成長。12年に初めてNHK紅白歌合戦へ単独出場を果たし、14年にはナゴヤドームで初の単独公演を実現させた。その6年間の波乱の道のりに対してメンバーたちは熱い思いを語り出す……という展開。

 SKE48初のドキュメンタリー映画。グループ結成から6年分の記録映像を基に構成された映像は、ドラマチックな演出で必要以上に盛り上げるわけではなく、むしろ淡々と進んでいく。だがメンバーたちの姿を見ているとやはりそこには“ドラマ”を感じる。1期生を中心にどのようにSKE48が作り上げられてきたかの軌跡がそこには詰まっている。グループにこれまで在籍したのは125人で、卒業生は72人になるが、そうやって積み重ねてきた時間と人の重みがドラマとなり、ドキュメンタリーとしての説得力を後押ししている。インタビューパートでは現役メンバーだけでなく、卒業生も登場。卒業生のその後を知ることができるのはファン冥利(みょうり)に尽きる。「アイドルの涙」と題された今作だが、もちろんそこにはうれし涙や悔し涙など数々の涙があっただろう。涙の先にあるグループの現在と未来を実感する。SKE48というグループの存在意義に迫る完成度の高いドキュメンタリーだ。TOHOシネマズ日本橋(東京都中央区)ほか全国で公開。(遠藤政樹/フリーライター)

 <プロフィル>

 えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。

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