注目映画紹介:「機動戦士ガンダム THE ORIGIN 1 青い瞳のキャスバル」 安彦マンガをアニメ

「機動戦士ガンダム THE ORIGIN 1 青い瞳のキャスバル」のワンシーン
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「機動戦士ガンダム THE ORIGIN 1 青い瞳のキャスバル」のワンシーン

 「機動戦士ガンダム」のキャラクターデザインや作画を担当した安彦良和さんのマンガが原作の新作アニメ「機動戦士ガンダム THE ORIGIN 1 青い瞳のキャスバル」(今西隆志監督)が28日に劇場で公開される。累計発行部数1000万部のマンガ「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」(KADOKAWA)をアニメ化したもので、ジオン公国軍のエースパイロットで「赤い彗星」と呼ばれるシャア・アズナブル(キャスバル・レム・ダイクン)と、妹のセイラ・マス(アルテイシア・ソム・ダイクン)の物語が展開。今作は全4話で描くシリーズの第1話で、安彦さんは総監督を務める。メカニカルデザインの大河原邦男さんやカトキハジメさんなど、歴代シリーズを支えてきた顔ぶれが新作を彩る。

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 宇宙世紀0068年。サイド3、ムンゾ自治共和国ではジオン・ズム・ダイクン(声・津田英三さん)が、宇宙に進出した人の革新を説いて地球連邦政府からの完全独立を決意。しかし、議会での演説中に倒れて命を落としてしまう。ザビ家陰謀説を唱えるダイクンの側近ジンバ・ラル(声・茶風林さん)だったが、実権を握ろうとするザビ家の暗躍は止まらなかった。一方、ダイクンの遺児であるキャスバル(声・田中真弓さん)とアルテイシア(声・潘めぐみさん)はザビ家の政敵に引き取られ……というストーリー。

 数あるシリーズ作の中でもトップクラスの人気とインパクトを誇るシャアの物語というだけあり、見る前からかなりの期待感を持っていたが、その期待はいい方向に裏切られた。今作は全4話の1話目なので、シャアとセイラはまだ幼い子供。ザビ家とラル家の権力を巡る主導権争いに巻き込まれるという、およそロボットアニメらしからぬ展開が繰り広げられる。モビルスーツが登場せずに物語が進んでいるのに、どこかガンダムらしさを感じてしまう。ほかにも設定上だけ存在したキャラクターも数多く登場し、さらに初代ガンダムでは出番が少なかったキャラたちの活躍も描かれたりと、ファンならずとも目が離せない仕掛けが目白押しだ。冒頭で描かれる連邦軍とジオン軍の戦闘シーンの圧倒的な迫力と、シャアザクのスピード感も見応えたっぷり。新宿ピカデリー(東京都新宿区)ほか全国13館で2週間限定公開。(遠藤政樹/フリーライター)

 <プロフィル>

 えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。

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