女優の広田レオナさんがメガホンを取り、夫の吹越満さんが出演している映画「お江戸のキャンディー」が28日公開された。江戸時代のような町“EDO”を舞台に、派手な装飾品をまとったイケメン同士が「真実の愛」を求めて繰り広げる物語が描かれており、独特の世界観が見る者に強烈な印象を残す作品となっている。EDOで一番のイケメン・白鳥太夫に思いを寄せる将軍役を演じている吹越さんと広田監督に、撮影のエピソードや映画の見どころなどを聞いた。
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イケメン同士の恋愛、派手なヘッドドレス、個性的なキャラクターたち……と類似の作品が思いつかない独特の世界観で描かれている本作は、どのようなきっかけで生まれたのだろうか。広田監督は「もともと、BL(ボーイズラブ)で、予算が500万円で、R指定のつかないものを、という条件で作ってほしいと言われて。いつもエロスとタナトスをテーマにしているので、自分のその世界観でいいなら、と受けた」と、死生観が本作のベースになっていると語る。
撮影期間はわずか5日間。吹越さんは「狂ってるなと思いましたね。(それで)あそこまで作り込んだものを……。準備期間は聞いていたので、相当大変だろうなと思っていました」と驚きを語る。吹越さんは屋内1カ所での出演だったので早朝から夜中までかけての撮影だったという。作品は「エロスとタナトス」というテーマを軸に、「真実の愛」を求めて主人公のイケメンが男同士の恋愛を繰り広げる内容。奇抜な衣装のイケメンがさまざまな障害を乗り越えて真実の愛を求める姿が印象的だが、広田監督は「おとぎ話はハッピーエンドで終わるけど、人生にはそのハッピーエンドの先がある。でも、(登場人物の)みんなはおとぎ話の中だけでしか生きていきたくない子ばっかりで」と説明する。
吹越さんは、白鳥太夫に思いを寄せる、京から来たEDOで一番偉い将軍・六条近々正を演じた。撮影では、踊りを披露するシーンに苦戦した。踊りはバレエファンなら誰もが知っている有名な振り付けで、「役柄で、どうしてもこのフリで踊りをやってくれと。下手でもいいから違うものをやってくれるなと。ここをクリアしないと(家に)帰れないな、と思った」と苦労を明かす。
ちなみに、本作での吹越さんの出演者クレジットには「積極的出演」という見慣れない文字が付けられているが、これはよくある「友情出演」などでは面白くないと考えたため。「ほかに何かないか、と考えて。最初は『強制出演』というのを考えたんだけど、やらされた感があるので……僕らの関係だからこそ言える、お遊びの肩書を付けてみました」と笑う。
本作では、主人公の頭に羽根や飾りを付けたひと目見たら忘れられないインパクトのビジュアルも特徴のひとつだが、これは広田監督がヘッドセットを作っている友達に会ったときにひらめいた。「見た瞬間に、あ、(主人公の)フリ松だなと思った」という。その奇抜なビジュアルならではのエピソードもあった。ロケ地を訪れた際に、「遠足に来ていた小学生たちに会ったんですけど、フリ松を見てみんな心臓が止まりそうになるぐらいびっくりしていて。(見た目が)“リアルもののけ姫”みたいじゃないですか」と笑いながら明かす。もちろん、衣装合わせの際にも、スタッフやキャストは「何が始まるんだ、と思ったと思います」と驚いた様子だったと明かすが、それでも「楽しんでいたと思います」と楽しそうに語る。
撮影を終えた広田監督に撮り終えた感想を聞くと、「以前は100人のうち1人好きならいいかな、みたいな感じだったんですが、今回は10人のうち2人ぐらい好きっていう人がいてくれるんで、そういう映画を撮れるようになってきたんだな、と。中毒性があるように、何回も見られるように作っています。日常生活の中でふっと(映画のシーンを)思い出すんですよ。一回試しに、怖いもの見たさでいいから、見てほしい」とのメッセージが返ってきた。「お江戸のキャンディー」は28日から池袋シネマ・ロサなどで公開。
<広田レオナさんのプロフィル>
1963年生まれ。幼少期からクラシックバレエを習い、15歳でベルギー王立芸術学院「MUDRA」に合格し、モーリス・ベジャールに師事。18歳で事故により腰を壊しプリマを断念。帰国し、「だいじょうぶマイフレンド」(1983年)でピーター・フォンダの相手役としてデビュー。以降、出演作品多数。2000年に初監督作品「DRUG GARDEN」を発表。
<吹越満さんのプロフィル>
1965年生まれ。映画「お江戸のキャンディー」では六条近々正役で積極的出演。NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」や「悪の教典」など、これまで映画、ドラマに多数出演している。現在はドラマ「問題のあるレストラン」(フジテレビ)などに出演中。
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