注目映画紹介:「劇場版 境界の彼方 I’LL BE HERE 過去篇」 未来中心にテレビ版を振り返る

「劇場版 境界の彼方 I’LL BE HERE 過去篇」のワンシーン (C)鳥居なごむ・京都アニメーション/境界の彼方製作委員会
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「劇場版 境界の彼方 I’LL BE HERE 過去篇」のワンシーン (C)鳥居なごむ・京都アニメーション/境界の彼方製作委員会

 京都アニメーション制作のテレビアニメ「境界の彼方」を劇場版アニメ化した「劇場版 境界の彼方 I’LL BE HERE 過去篇」(石立太一監督)が14日に公開される。原作は鳥居なごむさんのライトノベル。不死身の少年・神原秋人が、孤独な戦いを続ける少女・栗山未来と出会ったことで戦いに巻き込まれるというストーリーで、2013年10~12月にテレビアニメが放送された。劇場版はテレビシリーズの出来事を振り返る「過去篇」と、テレビシリーズから1年後を舞台にした完全新作の「未来篇」の2部作で公開される。

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 異形の存在である妖夢と人間の間に生まれた半妖の少年・秋人(声・KENNさん)は、学校の屋上で今にも飛び降りそうな少女・未来(声・種田梨沙さん)と出会う。未来は妖夢の討伐(とうばつ)を生業(なりわい)とする異界士で、呪われた血を持つ一族の最後の生き残り。秋人を妖夢と見なし、攻撃を仕掛けてくるが……というストーリー。

 劇場版アニメとなるだけでもうれしいサプライズなのに、さらに2部作というから驚いた。完全新作となる「未来篇」に先がけて公開される今作は、ヒロイン・未来を中心にテレビシリーズを振り返る。丁寧な演出と作画のクオリティーの高さで知られる京都アニメーションだけに、劇場版でもその期待は裏切らず、高い完成度で観客を魅了する。なによりもメガネで童顔、その上、ドジっ子という“萌え”の要素が満載なヒロイン・未来の可愛らしさが、巨大スクリーンで楽しめるのは至福の極みだ。キュートなのに壮絶なアクションもこなしてしまうというギャップに、改めてくぎ付けになる。4月25日から公開される「未来篇」が待ち遠しい。14日から新宿ピカデリー(東京都新宿区)ほか全国で公開。(遠藤政樹/フリーライター)

 <プロフィル>

 えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。

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