注目映画紹介:「翠星のガルガンティア めぐる航路、遥か 後編」レドの運命とすべての謎が決着

(C)オケアノス/「翠星のガルガンティア」製作委員会
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(C)オケアノス/「翠星のガルガンティア」製作委員会

 テレビアニメ「翠星のガルガンティア」の続編を2部作で描いたOVAの後編となる「翠星のガルガンティア めぐる航路、遥か 後編」(村田和也監督)が4日に公開される。「翠星のガルガンティア」は、異形の生命体と戦い続けていた少年兵・レドが、地球の船団・ガルガンティアの人々との日々を描くSFアニメで、2013年4~6月にテレビアニメが放送され、昨年9月にはOVA前編が公開された。後編では沈没船を引き上げるなどサルベージチームの一員として働くレドが、旧文明の記録媒体や謎のロボット「マズル」、そして前編にも登場した少女リーマの目的など、さまざまな謎が明かされていく。

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 ガルガンティアの仲間たちと旧地球文明の遺物を海底から引き揚げる日々を送る少年兵のレド(声・石川界人さん)。仲間たちは引き上げた沈没船の資材の中から、マシンキャリバーの祖となる戦闘機械に関する旧文明の記録媒体を発見する。一方、ガルガンティアは物資不足や住人の疲労などから海上貿易拠点「竜宮城」に寄港するが、謎のロボット「マズル」が現れ……という展開。

 前編を見ていても感じたことだが、テレビ版から半年後という設定の物語には登場人物たちの何気ない日常も描かれている。もちろん物語として新たな事件などは発生するものの、テレビシリーズ終了後も物語の中に船団は存在し、人々は暮らしを続けているわけで、そういったあたかも実在しているかのような作品の雰囲気には物語の一貫性と力強さを感じる。描かれる日常生活によって広がる奥行きある人間関係、さらにディテールやこだわりの表現などがストーリーに深みを与えている。後編でもっとも気になるのは謎の言語を話すロボットのマズルの存在と、リーマの本当の目的だ。それらに付随するレドの決断や運命を、ワクワク感のある心躍らせる描写で表現した。ロボットが出てくるSF作品だが、厚みのあるドラマが味わい深い。新宿バルト9(東京都港区)ほか全国12館で公開。(遠藤政樹/フリーライター)

 <プロフィル>

 えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。

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