東京女子流:アーティスト宣言の真相 メンバーとスタッフが裏側語る

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 5人組女性グループ「東京女子流」が“アーティスト宣言”したことがアイドルファンの間で話題になっている。「路線変更か?」「アイドルファンを見放すのか?」などとファンがザワつく中、メンバーと所属レコード会社のエイベックスで同グループを担当する佐竹義康さんを直撃し、“アーティスト宣言”の真相を探った。

ウナギノボリ

 ◇そもそもアイドルではない?

 東京女子流は、小西彩乃さん、山邊未夢さん、新井ひとみさん、中江友梨さん、庄司芽生さんの5人からなるガールズグループで、2010年に結成。12年12月には、平均年齢15歳(当時)で女性グループ最年少での武道館公演を実現させたことも話題になった。ディスコやファンク、フュージョンなどを取り入れた楽曲も人気を集めている。

 アーティスト宣言は、今年1月に映像配信サービス「Ustream」の番組で佐竹さんとメンバーが行った。宣言の内容は、アイドルフェスなどの出演をせず、「おんなじキモチ」などアイドル色が若干強い一部楽曲をしばらくはライブで封印するというものだ。

 そもそも東京女子流は、アイドルグループとして認識されているかもしれないが、所属レコード会社のエイベックスではデビュー時から“ダンス&ボーカルグループ”として売り出してきた。アイドルと呼ばれてきたことについて、佐竹さんは「受け取る側が、どう受け取るかはそんなに気にしていなかった」と話すが、一方で「メンバーが成長する中でアイドルと呼ばれることに違和感も感じるようになった」と明かす。

 ◇きっかけはメンバーの意識の変化

 デビュー時は、最年少の新井さんは小学生だったが、5年間の活動を経て、新井さんは高校生になり、今春には最年長の山邊さんが高校を卒業するなどメンバーは少しずつ大人になってきた。中江さんはデビュー時を「歌って踊ることに一生懸命だった」と振り返るが、新井さんが「昔は分からなかった歌詞の意味も理解できるようになって、表現も変わった」、小西さんが「セクシーなダンスもできるようになった」と話すように、成長する過程で、表現の幅が広がり、メンバーの意識も変わってきたという。

 転機となったのは、昨年夏のとあるライブで、スタッフが考えたセットリストに対して、メンバーが意見することがあったことだった。佐竹さんは、メンバーの行動を「すごくいいことだと思った。成長する中で『こうしたい』という気持ちが芽生えてきた。そこを伸ばしてあげたかった」と考え、“アーティスト宣言”を決意したようだ。

 ◇あえて宣言した理由

 佐竹さんによると、アーティスト宣言によって、グループのビジュアルイメージが大幅に変わるなどの変化はないといい、中江さんは「活動の内容は基本は変わりません。ダンス&ボーカルグループであることを明確にして、ファンの方に知っていただくための宣言だった」と話す。

 佐竹さんは、あえて宣言したことについて「ここまでメンバーチェンジもなく、5年間続けてこれたことは珍しいことなのかもしれない。メンバーが大人になってきた中で、宣言は『まだまだやるぞ!』という意思表示だった」と説明する。

 ◇厳しい目で見られることも…

 アーティスト宣言によって、活動内容は基本的に変わらないが、今後はメンバーが楽曲制作やライブの構成などに積極的に関わっていくことになる。新井さんは「より個性を出していけるし、よりやりがいを感じられるようになるはずです」と話し、活動の幅がどんどん広がるようだ。

 アイドルに対しては、未完成で親近感のあるパフォーマンスを楽しむ……というファンもいる。アーティスト宣言によるファンの変化を、中江さんは「厳しい目で見られることもある」と感じているという。ファンが求めるハードルが上がっていることもあり、メンバーは「スキルアップはどんどんしてきたい!」と声をそろえる。

 “大人”に成長中のメンバーがどんなパフォーマンスを見せてくれるのか。アイドル戦国時代ともいわれる中、あえてアイドルであることを選択しなかった東京女子流の今後の活動が注目される。

 <プロフィル>

 東京女子流 小西彩乃さん、山邊未夢さん、新井ひとみさん、中江友梨さん、庄司芽生さんの5人で2010年1月1日結成され、同5月にデビューシングル「キラリ☆」を発表。12年12月には、平均年齢15歳(当時)で女性グループ最年少での武道館公演を実現させたことも話題になった。タイやベトナム、フランスなど海外でも活動。18枚目のシングル「Stay with me」が発売中で、ベストアルバム「キラリ☆」が5月5日に発売される。

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