注目映画紹介:「名探偵コナン 業火の向日葵」初のアートミステリーはダークな怪盗キッドに注目

「名探偵コナン 業火の向日葵」のワンシーン (C)2015 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会
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「名探偵コナン 業火の向日葵」のワンシーン (C)2015 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

 青山剛昌さんのマンガが原作の人気アニメ「名探偵コナン」の劇場版最新作「名探偵コナン 業火の向日葵」(静野孔文監督)が18日に公開される。劇場版19作目の今作は、ゴッホの名画「ひまわり」を巡る謎にコナンが挑むシリーズ初の“アートミステリー”で、巨大宝石(ビッグジュエル)しか狙わないはずの怪盗キッドが名画への犯行予告を出し、コナンらと激しい攻防を繰り広げる。「名探偵コナン 絶海の探偵(プライベート・アイ)」(2013年)でもタッグを組んだ静野監督と脚本の櫻井武晴さんが、予想もつかない展開で観客を魅了する。ゲスト声優として絵画鑑定士・宮台なつみ役で女優の榮倉奈々さんが出演しているほか、2人組ロックバンド「ポルノグラフィティ」が主題歌「オー!リバル」を担当した。

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 大富豪が集まるオークション会場で、以前日本で消失したといわれているゴッホの名画「ひまわり」を鈴木財閥の相談役・鈴木次郎吉(声・富田耕生さん)が落札する。次郎吉は世界各所に散らばる7枚の「ひまわり」を集め、日本での展覧会開催を発表。絵画を護衛するスペシャリスト「7人のサムライ」を紹介していると、巨大宝石しか狙わないはずの怪盗キッド(声・山口勝平さん)が現れ、絵画を奪うことを宣言し去っていく。一方、江戸川コナン(声・高山みなみさん)たちもニュースに注目していたが……というストーリー。

 シリーズ初の美術もので、コナンとキッドが戦うという展開はシリーズファンなら間違いなくテンションが上がるはず。しかも今作のキッドはダークな雰囲気をまとっているなど、いつもとは違った切り口で驚かせてくれる。一番の見どころは作品のスピード感。冒頭のオークションシーンを皮切りに、絵画を輸送する飛行機でのトラブル、クライマックスでのアクションと、これでもかというほど怒濤(どとう)の展開が押し寄せる。テンポを重視したためか、登場人物たちの心情描写などが少なめな印象も受けるが、スケール感のあふれる映像が補ってあまりあるほど完成度を高めている。主役のコナンは途中までは押され気味だが、推理だけでなく男気あふれる活躍を見せてくれる。だが、今回ばかりはキッドのクールなカッコよさに素直に酔いしれたい。TOHOシネマズ新宿(東京都新宿区)ほか全国で公開。(遠藤政樹/フリーライター)

 <プロフィル>

 えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。

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