注目映画紹介:「劇場版 境界の彼方 I'LL BE HERE 未来篇」過酷な運命の先にあるものは

「劇場版 境界の彼方 I'LL BE HERE 未来篇」のワンシーン (C)鳥居なごむ・京都アニメーション/境界の彼方製作委員会
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「劇場版 境界の彼方 I'LL BE HERE 未来篇」のワンシーン (C)鳥居なごむ・京都アニメーション/境界の彼方製作委員会

 京都アニメーション制作のテレビアニメの劇場版「劇場版 境界の彼方 I’LL BE HERE 未来篇」(石立太一監督)が25日に公開される。鳥居なごむさんのライトノベルが原作で、テレビシリーズから1年後を舞台にした完全新作となる。戦いが終わり普通の日々に戻れると思っていた神原秋人と栗山未来だったが、未来の記憶が失われてしまったことから起きる出来事を描いている。名瀬美月の声を担当する茅原実里さんが主題歌「会いたかった空」を歌っている。

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 妖夢「境界の彼方」を体内に宿し、人間と妖夢の間に生まれた半妖の少年・神原秋人(声・KENNさん)と、境界の彼方を唯一倒せる異界士・栗山未来(声・種田梨沙さん)は、互いに引かれ合い、一緒に生きる世界を選択。戦いを終えた2人だったが、未来は記憶を失ってしまう。進級し高校3年生となった秋人は、未来の幸せを願い、未来を避けるようになるが、未来は秋人に引かれていく……というストーリー。

 「過去篇」は未来と秋人に焦点を当て、絆と愛の物語としてテレビシリーズとは違った観点で楽しませてくれた。「未来編」への期待が高まる中で見たのだが、全編新作で描かれる物語にはキャストやスタッフたちの作品への愛がこれでもかと詰まっていた。未来が記憶を失ってしまったという設定は切なすぎ、秋人が未来の幸せを思って身を引いていく姿には思わずぐっときてしまった。再び戦いに巻き込まれる中、自分が何者であるか悩む未来や、自分の気持ちを抑えきれない秋人など、「本当の幸せとは」という命題を抱え、すれ違いや葛藤が渦巻く中、2人がたどり着く先は……涙なしには見られない結末が待っている。新宿ピカデリー(東京都新宿区)ほか全国で公開。(遠藤政樹/フリーライター)

 <プロフィル>

 えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。

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