ダンダダン
第8話「なんかモヤモヤするじゃんよ」
11月21日(木)放送分
話題のマンガの魅力を担当編集が語る「マンガ質問状」。今回は、TOBIさんの「お前ら全員めんどくさい!」です。「COMICメテオ」編集部の鈴木朝子さんに作品の魅力を聞きました。
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面倒くさくも可愛い女の子たちに囲まれた、先生×生徒の学園天国ラブコメディーです。泣き虫・カズミ、ビッチ・リホ、委員長・エイコ、女王様・シオリ、JC・ヒビキ……バリエーション豊かな“面倒くさい女子”たちが、常に先生の隣の席をキープしたり、両親から交際の許可を取ってきちゃったり、キスを仕掛けたりなど、それぞれの方法で先生であるオレ(国彦)に迫っていきます。国彦は先生なので、生徒には絶対に手を出すわけにはいかない一方、しかし女の子たちは無邪気に、そして時に魔性の可愛さで「大好き」と迫ります。
危うくほだされそうになりながらも、国彦は「オレはキミたちの恋人でも友達でもありません!」と何とか突っぱねますが……。女の子たちの素直で、ある意味ピュアな“先生大好きアプローチ”に先生がドコまで耐えられるかも見どころの一つでしょうか。立場もそれぞれの個性も、ちょっぴり面倒くさい女の子たちではありますが、そんなところが可愛いさをさらに引き立てる、楽しいラブコメディーになっています。
TOBI先生の弊社での前作「屋上姫」が、シリアスで重めのラブストーリーだったこともあり、新作はライトで楽しいラブコメを作りましょう、というのが大きな目標でした。
ストーリーラインはもちろんですが、そんな楽しいラブコメには欠かせないヒロインを果たしてどうするかが当時の課題でした。打ち合わせの中で“可愛いヒロイン”の見た目はもちろん、しぐさや、性格、セリフ、表情など、こんなことを言ったら、したら可愛いよね、というシチュエーションをいくつも挙げていき、そもそも“可愛い女の子とは何か”を突き詰めていく作業になったんです。
すでに世の中には「ツンデレ」や「ズボラ女子」「妄想系女子」など、いろいろな可愛い女の子が登場していたので、新しい可愛さを見つけるというよりはなぜその子たちが可愛いのかをTOBI先生と延々と話し合ったりしていました。
「素直じゃなくても一生懸命なの可愛い」「試行錯誤している女の子可愛い」「泣いてる子可愛い」「不器用な子可愛い」「何を考えているかわからない女の子、逆に可愛い」などが挙がっていき、最終的に「面倒くさい女の子も、むしろ可愛いのでは」というテーマにたどり行き着きました。話し合いがだいぶ煮詰まった結果、そういうのもアリか……という心境になったというか。そこからは、どう面倒くさいと、可愛くて面白いかを考え、主人公は同級生ではなく大人の先生になり、今の“面倒くさい=可愛い!?”な作品になっていきました。
タイトル「お前ら全員めんどくさい!」も、当時TOBI先生が作品の方向性を箇条書きにしたメモの一文を、そのまま持ってきています。
無口で(友人のいない)ぼっちでコミュニケーションを取るのが苦手なカズミと、それをどうにかしてやりたい国彦先生……の二人のキャラは、TOBI先生が作品ボードを考えた初期からほとんど変わっていません。連載の第1話も、冒頭登場シーンを含め、カズミのキャラクターはほぼ一発で決まりました。眼鏡に三つ編み、白衣といった見た目も含め、TOBI先生の中での“面倒くさいけど可愛い子像”をぎゅうぎゅうに詰めていただいた結果です。
リホは、“ビッチで面倒くさい”キャラに落ち着くまでは、「面倒くさ可愛いとは……?」とTOBI先生ご自身も手探りだった部分も多く、かつ既出キャラとかぶらないように、ということでかなりいろいろなパターンが出ました。リホがカズミにガチ切れして、怖くてカズミが泣く……といった今ではあり得ない没ネームもあります。主人公の国彦先生だけでなく、ほかの先生もみんな大好き、という“ビッチキャラ”は読者さんに受け入れてもらえるか心配だったのですが、サイン会などで好きだといってくださる方も多くて安心しました。
エイコは一見、普通に見えますが、先生に近づく方法が、ちょっとズル(?)かったりして。いつでも必死なところも面倒くさ可愛いく、読者さんから絶大な支持を受けています。キャラのテーマは屋上姫(前作の完璧ヒロイン。生徒会長、お嬢様)になれない姫(努力型)でした。逆に姉のシオリは天才型です。
カズミがメインヒロインではありますが、基本的には「どの子も全員メインヒロイン」をモットーにキャラや物語が作られているので、そういったところも読者さんに楽しんでいただけると幸いです。
作者のTOBI先生は、見た目は静かな方ですが、女の子たちのカワイイ仕草や、表情をいつもかなり突き詰めて作画をしていらっしゃいます。特に表情にはこだわった作画をされていて、以前まだ先生がアナログ作画だった時代には、描き直しの末にキャラの顔の部分の原稿用紙の表面がぼこぼこになってしまい、上から新しい紙を貼って描き直しの調整をするようなこともよくありました。
それと(締め切りに)追い詰められると、スゴくよいシーンを描き上げてくる先生です。「ネームのうっちゃり」と呼んでいます。
登場する女の子キャラも増え、それぞれの気持ちと恋のアプローチは(先生の気持ちと立場とは裏腹に)4巻からさらに加速していく予定です。
とはいえ、シリアスにはなりすぎず、ライトで楽しく可愛い女の子同士のやりとりや、“面倒くさ可愛い”部分はさらに増えていきますのでお楽しみに!
「お前ら全員めんどくさい!」を気に入って「COMICメテオ」で読んでくださる皆さん、コメントや感想を送ってくださる皆さん、そしてもちろんコミックスを買ってくださる皆さん、ありがとうございます!
「どの子も全員ヒロイン」をモットーに、今後の「おまめん」も可愛さ&キュンをさく裂させていく予定ですので、お気に入りの女の子だけでなく、ぜひ全員を見守ってやってください。国彦先生の慌てっぷりもどうぞお楽しみに! ゆるゆるっと楽しんでいただければ幸いです。第4巻は12月発売予定!です。
COMICメテオ編集部 鈴木朝子
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