名探偵コナン
#1147「張り込み4」
12月28日(土)放送分
懐かしのアニメ作品をモチーフにしたコスメなどの“大人の女性向けグッズ”が注目を集めている。週に約100本(再放送含む)のアニメを視聴する“オタレント”の小新井涼さんが、こうした“大人女子のためのアニメグッズ”について考察する。
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懐かしのアニメ作品をモチーフにしたコスメなどの“大人の女性向けグッズ”が注目を集めています。今でこそ当たり前のように目にする光景ではありますが、モチーフとなる作品やグッズの種類が急激に増えたのはここ数年のことのように思います。グッズも多い「セーラームーン」や「カードキャプターさくら」などは本来、子供(や大きなお友達)向けの作品です。こうしたグッズを、大人たちが単に「懐かしい」と思うだけでなく、いまだに「可愛い! 欲しい!」と思って買ってしまうのはなぜなのでしょうか。
これらのグッズが大人の心をつかむ理由の中で大前提としてまず重要なのは、日本が誇れる“女児向けアニメの変身グッズの可愛さ”でしょう。デザインや色遣いはもちろん、それを使って魔法少女や伝説の戦士に変身する姿にはかつて誰もが憧れたのではないでしょうか。
しかしいくら見た目が可愛くても、それをそのままおもちゃで復刻しただけでは手元に置いておくことしかできません。それも魅力的ではありますが(そして実際商品化もされていますが)、コアなアニメファンまではいかない大人でさえつい買ってしまうのは、なによりその可愛いデザインのグッズが“実用性”を兼ね備えているからだと思うのです。
当時憧れていた変身グッズが、大人になった現在の「変身グッズ」であるコスメやアクセサリーとして使えるといううれしさ。さらに大人でも普段使いできる機能性も併せ持った形でリメークされているとなったらホイホイされずにはいられません。
最近ではグッズ化される作品もさまざまで、「夢のクレヨン王国」の“おまじない香水びん”をリメークしたジュエリーコンパクトは、懐かしさと共に「そのアイテムをそうリメークしたか!」というアイデアにも感動してしまいました。
しかしそれだけの魅力があるにしろ、最近になって懐かしのアニメがこれだけ大人向けにグッズ展開されるようになったのはなぜなのでしょうか。
もし当時作品をみていた子供が大人になっただけというならば、1966年に放送されていた「魔法使いサリー」が、86年ごろに大人の女性向けコスメを出していてもおかしくないのですが……。もし当時出ていたとしてもこれほど広がりはしなかったように思います。
ではなぜそれが今なのかというと、テトリスでいう「棒が来た!」のタイミングだったからではないでしょうか。
21世紀の日本においてアニメ文化はすっかり浸透し、あわせてグッズ展開も活発になりました。それこそ懐かしのアニメ作品たちが放送されていた当時には考えられないくらい、その数も種類も豊富です。それだけアニメグッズがあふれる中、ラムちゃんの「ラブダーリンコスメ」や、クリィミーマミの「アパレルグッズ」も発売されたりして「レトロアニメの大人向けグッズは可愛い」という印象も徐々に培われていきます。そうして大人たちの受け皿もすっかり形成されたタイミングで、セーラームーンが20周年記念としてコスメやアクセサリーといった大人向けグッズを展開したことが、現在のブームの火付け役となったのではないでしょうか。
この一連の流れが、奇麗に積み上げられた“待ち状態”に、棒がぴったりとハマる様子に似ていたのでテトリスに例えさせていただきました。
ここまで、大人の女性が夢中になるアニメグッズの魅力や、ブームのきっかけについて自分なりに考察してきましたが、同じくアニメ好きな友人やこれらのグッズに興味のある女性たちからも似たようなご意見を聞くことができました。正直大人になった今でも、ビーダマンやサイリウムチャームを買ってしまう自分の認識が頼りになるのか心配でもあったので、安心したのは内緒です。
また友人からは、商品が増えすぎて、初めほど「全部買ってやる!」という気持ちはなくなったとの感想もいただき、発売頻度が増え、既に買う人も欲しいものを吟味しはじめるくらいにはこれらのグッズがあふれているという事実も再認識できました。
こうなると、今後は「セーラームーンなりきりランジェリー」を超える奇抜な商品や、意外な作品からの大人向けグッズというのが増えてゆくのかもしれませんね。個人的には「アキハバラ電脳組」のスマホグッズとかが出たら可愛いのではないかと思いますが、どうでしょうか?
こあらい・りょう=埼玉県生まれ、明治大学情報コミュニケーション学部卒。アニメ好きのオタクなタレント「オタレント」として活動し、ニコニコ生放送「岩崎夏海のハックルテレビ」やユーストリーム「あにみー」などに出演する傍ら、毎週約100本(再放送含む)のアニメを見て、全番組の感想をブログに掲載する活動を約2年前から継続。「埼玉県アニメの聖地化プロジェクト会議」のアドバイザーなども務めており、社会学の観点からアニメについて考察、研究している。
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