上川隆也:冴羽りょう役に手応え 「やるほどに幅が広がっている」

「エンジェル・ハート」の原作マンガ(左)に登場する「塩辛とジャガイモのパスタ」 (C)北条司/NSP 2001
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「エンジェル・ハート」の原作マンガ(左)に登場する「塩辛とジャガイモのパスタ」 (C)北条司/NSP 2001

 北条司さんの人気マンガが原作の連続ドラマ「エンジェル・ハート」(日本テレビ系、日曜午後10時半)に主演する上川隆也さんがこのほど、東京都内で行われたドラマの会見に出席。主人公・冴羽りょうの“再現度”が原作ファンからも高く評価されている上川さんは「やればやるほど、振る舞いや、喜怒哀楽の感情を含めて、やれることの幅が広がっているように思えます」と手応えを明かした。

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 「エンジェル・ハート」は、1985~91年に「週刊少年ジャンプ」(集英社)に掲載された北条さんの人気マンガ「シティーハンター」の世界観を基に新たなパラレルワールドとして描いたマンガ。ドラマは、難事件解決を闇で請け負い、悪党を懲らしめる主人公、シティハンターの冴羽りょうと、台湾の秘密結社の暗殺者・香瑩(シャンイン)や、その周囲の人間たちの姿をハードボイルドな仕掛けやサスペンス要素、人間愛や家族愛なども盛り込んで描いている。

 ドラマは第6話までの放送が終了しており、上川さんは撮影現場について「雰囲気を含め非常に良好ですね」と語り、「ワンシーン、ワンシーンのストライクゾーンを探していくのが楽しいですし、それを皆で、知恵を絞り合いながらストライクを狙っている感じが、とても前向きに行われている現場です」と明かす。

 りょうの“再現度”が話題となったが、「具体的に、鏡の前に映し出してやってみることは決してなくて、原作を読んだ、冴羽の歩き姿のイメージというのが強く残っているので、そこと今の自分のポーズをモンタージュするような感じです」と説明。「それを毎シーン、毎シーンいろいろな形で探し続けています。また、できる限りそこに近づけたり、照らし合わせていけるようなものにしていきたいと思っています」と真摯に語る。

 香瑩役の三吉彩花さんについては「容姿端麗で、一見クールにもお見受けする三吉さんが、外見からはうかがい知れないほどにとてもオープンマインドで、積極的にみんなとコミュニケーションを取ろうとされるような方」と評し、「そのおかげもあってか、ドラマのテストでも本番では使えないような、“もっこり”的なこととかを言っても、軽く突っ込みを入れてくださったり、忌憚(きたん)なくお芝居を交わしていけるような関係性がありますね」と笑顔で明かした。

 そんなアドリブの演技がオンエアに乗ることもあるのかとの質問には「なきにしもあらずです。決して台本には活字で大きく“もっこり”と書かれていることはないので。そのあたりは察していただければ」と笑顔。アドリブがどの程度使われるのかは放送を見て知ることもあるといい、「実際“もっこり”周りのセリフを言うときに、その周辺に編集点を用意しておくんです。その上で採用いただければそれはそれで、そうだったんだなと放送後に納得する形になっております」とユーモアたっぷりに語っていた。

 また、冴羽りょうを演じてみての変化を聞かれると、「当初りょうに持っていた、憧れや隔たりみたいなものは変わっていないように思う」としながらも、「(演じた)回数や“もっこり”周りのトライアンドエラーがもたらしくてくれた、りょうにたどり着くまでの道はだんだん緩くなってきているように感じる」と明かす。「より自由に振る舞いながらそこにたどり着けるようになってきた。やればやるほど、振る舞いや、喜怒哀楽の感情を含めて、やれることの幅が広がっているように思えます」と手応えを感じている様子だった。

 この日の会見は、原作マンガが連載中のマンガ誌「月刊コミックゼノン」を出版するコアミックスが運営する東京・吉祥寺のカフェ「ソラ ZENON (吉祥寺)」で実施。現在発売中の「コミックゼノン」12月号に掲載されているエピソードで描かれた、香がりょうのために作った思い出の「塩辛とジャガイモのパスタ」が用意され、上川さんは「おいしい。食感が面白い。ジャガイモが入ってるあたりが香らしい」と舌鼓を打った。

 最終回に向けて残すところ3話。上川さんは「原作を忠実に再現しながらも大きく原作と違っている点が一つ。りょうと香瑩の親子関係の描き方だと思うんです。残り3話の中で、この2人の関係のハートウオーミングな部分と、また香瑩が元いた『レギオン』という組織も絡んできて、アクションの要素も残されている。最終話に向けて、よりふんだんにアクションシーンを“りょう”的に盛り込んでほしいと思っています。お楽しみに!」と呼びかけていた。

 ドラマ「エンジェル・ハート」は、毎週日曜午後10時半から放送中。22日の第7話では、かつて香瑩に父親を暗殺された天才ピアニストと呼ばれる少女・夢(石井萌々果ちゃん)が、父親は何者だったのか、誰に殺されたのかを知りたいとりょうを訪ねてきて……というストーリーだ。なお、同カフェでは「塩辛とジャガイモのパスタ」(1100円、限定マグネット付き)を30日までの期間限定で提供している。

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