注目映画紹介:「きみといた2日間」 インターネットで知り合った男女の心の軌跡 “本音”にびっくり

映画「きみといた2日間」のワンシーン(C)2013 APARTMENT TWO,INC.ALL RIGHTS RESERVED.
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映画「きみといた2日間」のワンシーン(C)2013 APARTMENT TWO,INC.ALL RIGHTS RESERVED.

 今年の米アカデミー賞で3部門に輝いた「セッション」(2014年)で主人公を演じたマイルズ・テラーさんが主演した映画「きみといた2日間」(マックス・ニコルズ監督)が23日に公開された。インターネットで知り合った男女の2日間における心の軌跡を描く。「ウォーム・ボディーズ」(13年)に出演したアナリー・ティプトンさんがヒロインを務めるほか、米ドラマ「ゴシップガール」(07~12年)でバネッサを演じたジェシカ・ゾーさんらが出演している。監督を務めたのは、「卒業」(1968年)や「ワーキング・ガール」(88年)などの作品で知られるマイク・ニコルズ監督の息子マックスさんで、初の長編監督作となった。

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 米ニューヨークで暮らすメーガン(ティプトンさん)は、医大を卒業したものの就職活動がうまくいかず、その上、婚約までしていた恋人に突然別れを告げられ、家の中でくすぶっていた。ルームメートのファイザ(ゾーさん)に発破を掛けられたこともあり、出会い系サイトに登録、デートをしてくれる相手を見つけようとする。それに応えたのがアレック(テラーさん)。メーガンはアレックの部屋に行き、一晩を過ごすが、翌朝、大雪のために彼の家で足止めをくらうことに……というストーリー。

 大雪のせいで帰るに帰れなくなったメーガン。時間を持て余した2人は互いのことを話し始めるが、それがついに前夜の体験の批評に発展。そこで語られる男女それぞれの“本音”のあけすけさには驚いた。何より、メーガンの無防備過ぎる相手選びには、“出会い系サイト=恐ろしい”というイメージがある筆者のようなおばさんには共感しづらい。しかし、ネットを自在に使いこなせる今の若者には、抵抗なく受け止められる設定なのだろう。物語が主に室内で展開するため、ニューヨークらしさが味わえなかったのは残念だが、親密さを増すための室内の雰囲気作りや敷物の意外な使い方などは、試してみる価値がありそうだ。カップルでどうぞといいたいところだが、“本音”の内容が内容なだけに、よほど親密でないなら友達と、あるいは一人で見に行った方がいいかもしれない。23日から新宿武蔵野館(東京都新宿区)ほかで公開中。 (りんたいこ/フリーライター)

 <プロフィル>

 りん・たいこ=教育雑誌、編集プロダクションを経てフリーのライターに。映画にまつわる仕事を中心に活動中。大好きな映画はいまだに「ビッグ・ウェンズデー」(78年)と「恋におちて」(84年)。

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